長崎県
ながさきおんせん・しまかぜのゆ
長崎温泉・島風の湯
自然と美食と島時間。ゆったり、ほっこり島旅を。
伊王島は長崎港の沖、正面に位置する緑豊かな島です。住民の半数がカトリック信者ということでキリシタンの里としても知られ、沖之島天主堂などの観光スポットが有名です。また、かつては炭鉱の島として栄え、多いときで7,000名ほどの島民で賑わったこともあったそうです。今では700名ほどと人口は激減し、静かな島となっています。そこに活気を取り戻そうと観光資源として温泉資源の開発に成功し、今では癒しの島として人気を集めているそうです。さらに今までは船でしか渡れなかったものが、平成23年(2011)に伊王島大橋が開通して、島外や県外からもクルマで訪れる人が増えて、ますます人気が高まっているのだそうです。島内には「やすらぎ伊王島」という滞在型のリゾート施設があり、そこにも温泉浴場がありますが、今回はその隣にある日帰り温泉施設の「島風の湯」に行ってきました。長崎駅前からだとクルマで30〜40分ほど、伊王島と対になっている沖之島経由で向かいます。宿泊施設を過ぎて駐車場の奧に温泉施設がありました。幹線道路は県道が一本だけなので迷うことなく辿り着くことができるでしょう。ものすごく広い駐車場があるので、けっこう人気の場所なのかもしれません。今回は平日に訪れたので利用客はまばらでした。瓦屋根の純和風をイメージした大きな平屋建ての建物で、屋根の上の大きな看板がとても情緒を醸し出していい雰囲気です。受付を済ますとすぐその先に男女の浴場入口がありました。廊下をさらに奥へと進むと家族風呂が10部屋ほど並び、ぐるっと奧まで進むと食事処もありました。脱衣場はロッカーの数が多くて、それなりにキャパがありそうです。でもその反面、けっこう狭い印象も受けました。混雑していたらかなり窮屈な感じになるでしょう。内湯に入ると、これまた不思議な感じがあります。浴場は縦に細長くそこに細長いコンクリートの湯舟があります。質素って感じではなく、あくまでも和風の飾らない演出なのでしょうが、何だか生簀のような雰囲気を感じます。別に悪い意味ではなく、ゆったりと大勢の人が入れるので、落ち着いた感じとでもいうのでしょうか。お湯はほとんど透明ですが、若干緑色っぽいような濁りを感じます。しっとりとした重たい湯で、舐めてみるとかなり塩辛いです。海水のような塩辛さがありました。塩分が濃いせいか、多少のベタつきはありますが、なかなか気持ちいい湯です。続いて外の露天風呂に出てみます。内湯のすぐ外側が露天になっていて、それなりに広い中庭に大小2つの湯舟が並びます。小さい方は熱め、大きい方はぬるめの湯になっているようです。空は開けていてとても開放的ですが、周囲はぐるっと壁に囲まれているので、景色などは見えません。庭園風の雰囲気なので悪くはありませんが、もうちょっと何かが欲しい気がしました。でも、それをカバーしてくれるのが脇にある長い階段です。展望露天風呂と書かれていて、上へと長い階段があります。さっそく登ってみると、そこには海に向かって横に細長くのびた大きな湯舟と、そして目の前の開放的な景色が楽しめました。湯舟の中ほどには屋根もついていますが、その両端は屋根がありません。また、一番奥の部分は衝立の部分も取り払われ、湯舟に浸かったまま正面の海を眺めることができるのです。すぐ目の前は小さな漁港のようですが、開放感はばっちりです。いやはやこれはかなり嬉しいロケーションですね。思わずテンションが上がってしまいます。湯舟のすぐ脇には海と間違えてか、大きなフナムシもウロチョロしていますが、これも愛嬌。まさに海と一体化した景色に満足度アップの露天風呂でした。浴後の休憩所はリクライニングベッドが並ぶアジアンチックなところでした。これもまた雰囲気がいいのですが、やはり広間の休憩所もあってもいいのかなと思いました。
掲載: 2017/05/20
Data
- 所在地:長崎県長崎市伊王島町
- 源泉名:長崎温泉 やすらぎ伊王島の湯
- 入浴 :2016年6月
- 泉質 :ナトリウム・カルシウム-塩化物泉(高張性・中性・高温泉)
- 泉温 :源泉44.5度
- 湧出量:毎分720リットル
- 掘削深度:1,180メートル
- 成分総計:15.08g/kg
- 形態 :日帰り温泉施設 男女別・家族風呂
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆☆☆
- 優雅度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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