茨城県
おおたおんせん・やまぶきのゆ
太田温泉・やまぶきの湯
ゆったりとした大きな施設の中にポツンと隠れる癒しの湯
常陸太田駅の西、源氏川のほとりに常陸太田市の総合福祉会館があります。駅から500メートルほどなので、歩いて5〜6分で辿り着ける便利なところです。ここは市の福祉施設ですが、一般の人も利用できる温泉施設を併設しています。福祉施設の中の温泉なんてしょぼいものだと想像しがちですが、ここはいい意味で裏切ってくれる嬉しい温泉と聞いてやってきました。とても大きな施設で、まずは保健センターが見えてきますが、そのまま裏手にまわると温泉の入口があります。館内に入ると、天井が高くガラス張りで明るいホールのようなところに出ます。なんとも斬新なデザインの建物で、不思議な開放感のある佇まいです。すぐ脇に入浴券の自動券売機があり、その先に受付、そして浴場入口があります。建物はすごく大きいのですが、温泉の入口はやや小ぢんまりとしています。脱衣所に入ると、スチールロッカーの並んだ、とてもシンプルで質素なところです。この規模からすると浴場もそんなに大きくはないのでしょうか。でも洗面台はわりとゆったりとしています。そんな不安を胸に浴室に入ると、こちらは天井が高く、窓も大きなガラス張りですごく明るく開放的なものです。しかも湯舟も大きくてゆったりとしています。壁際には洗い場がズラッと並んで、全体的にそんなに大きくはないものの、ゆったりとしてとても雰囲気のいいものです。また、隅には小さな水風呂と小さなサウナもあります。浴場として十分な施設です。湯舟はグランドピアノのような形をしていて、鍵盤部分が排水溝となっています。バブルバスもついていて、とても機能的なものですが、それよりも気になるのがその色です。綺麗なライムグリーンの色になっていて、透明感のある美味しそうな色です。もちろん美味しいわけもなく、舐めてみるとしょっぱくて、ちょっと苦味のある味がありました。汗よりも若干しょっぱいかなぐらいの塩辛さです。臭いは消毒臭にかき消されているのか、ほとんど感じません。大量に注がれた湯は、ジャンジャンと排水溝に溢れ出ていて豪快ですが、おそらく循環式なのでしょう。しかし劣化しているというような印象はなく、浸かっているとツルツルッとした滑らかな浴感が楽しめます。塩分を多く含んでいることもあって、すぐに内側から熱くなってきて汗が噴き出てきます。気だるさを感じるくらいよく温まる湯で、汗の噴き出方が尋常ではありません。サウナに入っているぐらい気持ちよく汗が出てきて、浴後はすごくスッキリとした気分になれます。こんなに使い勝手がよく、施設の雰囲気もよく、温泉もとても個性的なのに、なぜかとても空いています。ここは穴場だと情報を得ていましたが、休日の昼間に訪れたのに、数人の客(ほとんどが高齢者)しかいませんでした。ドライブついでに訪れても、家族でのんびりしに来ても、申し分ない温泉施設だと思うので、これは穴場だと思いました。
掲載: 2017/12/25
Data
- 所在地:茨城県常陸太田市稲木町
- 入浴 :2017年3月
- 泉質 :ナトリウム、塩化物強塩泉
- 泉温 :源泉27.4度
- 湧出量:毎分54リットル
- 掘削深度:1351メートル
- PH :7.1
- 蒸発残留物:18.31g/kg
- 形態 :福祉施設内の日帰り入浴施設 男女別
- 効能 :切り傷、火傷、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 地元度:☆☆☆☆
- 穴場度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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