長野県
おおまちおんせん・おおまちしこみゅにてぃせんたーわっぱらのゆ
大町温泉・大町市コミュニティセンター上原の湯
湯量豊富な源泉掛け流しの隠れた名湯
長野県大町市にはストーンサークルが見られる上原遺跡という古代遺跡があります。縄文前期の遺跡だそうで、昭和25年(1950)に発掘されたそうです。縄文人の集落の跡にあり、信仰的な遺構ではないかと考えられているそうです。そんな太古のロマン漂う遺跡の近くに日帰り温泉施設の「上原の湯」があります。GWの清々しい陽気に誘われ、ふらっとやってきました。この辺りはちょうど桜が散っている時期とあって、花吹雪が舞う風情ある雰囲気が最高に気分を盛り上げてくれていました。この施設はかつてあった市民浴場が建て替えられてできた施設だそうで、日帰り温泉施設というよりは地域の方々のための公共福祉施設という印象がありました。玄関前はバスの停留所にもなっているので、アクセスもとても便利です。施設の名称にもコミュニティセンターとありますが、地元民でなくても一般の方も利用できる施設となっていました。地元の方も観光客も気軽に利用できる湯ということですね。ちなみに上原の湯と書いて「わっぱらのゆ」と読むのだそうです。館内に入ると右に下足箱、左に受付があります。わりとガラッとしていて、温泉施設というよりは病院というか診療所みたいな印象を受けました。ロビーの右奥には大広間があります。無料の休憩所となっているので、ゆっくりと過ごしたい方にもお勧めです。ロビー正面右側には身障者が貸切で利用できる介護浴室が二つ、そして正面には大浴場の入口がありました。脱衣場はけっこう広めです。脱衣カゴが入口脇に用意されていて、利用者が各自で棚に持っていって利用するスタイルとなっています。浴室もいたってシンプルなつくりです。ボディソープとリンスインシャンプーの用意された洗い場は10基ほどあり、そして大きな湯舟がひとつドンと構えています。湯舟はゆったりと大きいのですが、その3分の1ぐらいが浅くなっていて、半身浴向けとなっていました。窓が大きく明るいので、とても清潔的な印象を受けました。湯舟の湯は無色透明のサラッとした感じで、癖がなく軽やかな感触です。ちょっと熱めかなと思っていると、脇に温度計があるので見てみると43度を示していました。もうちょっと低めでもいいような気がします。湯の注ぎ口には鷹でしょうか鷲でしょうか、猛禽類のオブジェが飾られています。とても意味ありげなのですが、何か由来でもあるのですかね。特に説明らしきものはありませんでした。一見するととくに変哲もない浴場ですが、実は掛け流しになっているそうで、溢れた湯は床を流れていました。けっこう贅沢で豪快なんですね。それから意味ありげに外への扉がありますが、露天風呂はありません。設計の段階では露天風呂を作ろうとしていたのか、それとも単なる管理用なのかはわかりません。大町市の長閑な場所にありますが、窓からの景色を楽しめるわけでもなく、浴場としてはシンプルすぎるので観光気分や温泉情緒を味わうような感じではありませんが、その分、余計なことを考えずにまったりと過ごすことができます。そういえば、玄関から脱衣所、浴室までほとんど段差がありません。さすがバリアフリーを意識したつくりになっていて、みんな安心して利用できる温泉施設ですね。
掲載: 2018/01/08
Data
- 所在地:長野県大町市平
- 源泉名:混合泉(新第2源泉、平成の湯、元湯1号、高瀬の湯)
- 入浴 :2017年5月
- 泉質 :単純温泉(弱アルカリ性低張性高温泉)
- 泉温 :源泉74.2度
- PH :7.4
- 蒸発残留物:545mg/kg
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆☆☆
- 地元度:☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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