静岡県
といおんせん・まぶゆ
土肥温泉・まぶ湯
金坑道跡に湧く土肥温泉発祥の湯
土肥温泉の少し内陸側、国道から少し入ったところに曹洞宗の古刹、安楽寺というお寺があります。その安楽寺には「まぶ湯」という温泉があります。土肥はかつて金の鉱山としても知られたところで、その坑道から温泉が湧出し、土肥温泉が始まったと伝えられています。その土肥温泉発祥の地がこの「まぶ湯」なのです。「まぶ」とは鉱山の坑道のことを指す言葉だそうです。そのまぶ湯を目当てでやってきました。お寺の場所はすぐにわかりますが、けっこう細い道に入るので、クルマで行く際には注意しましょう。境内に入るとそこはごくごく普通のお寺です。まぶ湯は山門の手前の石畳を進んだ奥にありますが、境内脇の玄関で先に拝観料を払います。お寺のイメージからして、つるっぱげのお坊さんが出てくるのかと思いきや、綺麗な女性が出てきてびっくり。丁寧に場所を説明してくれました。まぶ湯は入口のところが坑道のように木の枠で囲まれています。また、お地蔵さんがあったり、絵馬が掛けられていたりと、だいぶ雰囲気が出ています。中に入ると、すぐにムッとした熱気を感じます。そしてすぐに木枠で作られた湯舟があります。湯舟はふたつに区切られていて、家庭用の湯舟を大きくしたぐらいの大きさです。かつては入浴も可能だった頃もあったようですが、今では入浴は禁止されています。薬効高い湯として「医王泉」と呼ばれ、人気があったそうです。さすがに今ここで入るには勇気が要りますね。湯舟の湯は無色透明で、とても軽やかな湯ですがけっこう熱いです。しばらく浸けているとジンジンと痺れるくらい熱かったです。そのすぐ奥にはお地蔵さんがあって、それにお湯を掛けると無病息災のご利益があるそうです。坑道はまだ奥にも続いているようなので、先に進むと、途中に横穴がありました。ここは夫婦風呂という穴だということですが、ちょっと2人が入るにはキツイぐらいの小さな穴です。さらに奥へと進むとそこには夫婦神社という小さな神社がありました。女性器を模った御神体があり、子宝に恵まれるとのことです。坑道はさらに奥へと続いているようですが、中に入れるのはここまでのようです。そこで参拝ようとお賽銭をあげたところ、何か奥の方に気配を感じます。何だろうと目を凝らすと、奥の方で何かが横切りました。まさかこの奥に人がいるとは思えないし何だろうと不思議に思っていると、その影がこちらに向かってきました。あまりにも突然のことだったので、得体の知れない怪物に襲われるような衝撃を受けましたが、そこから飛び出してきたのは大きなコウモリでした。自分のまわりを旋回したあと、そのまま奥へと戻っていきました。あれは神の遣いだったのでしょうか。歓迎された気分になり、嬉しくなりました。
掲載: 2018/06/10
Data
- 所在地:静岡県伊豆市土肥
- 入浴 :2017年5月
- 形態 :手湯
- 開放度:
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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