新潟県
ちょうじゃおんせん・ゆとりかん
長者温泉・ゆとり館
素朴が嬉しい田舎の温泉
新潟県糸魚川周辺の海岸は、ヒスイの原石がよく見られることから、ヒスイ海岸と呼ばれることがあります。その荒々しい日本海の海岸から木浦川をさかのぼって少しいくと、クルマで6〜7分くらいのところに長者温泉ゆとり館が見えてきます。素朴な日帰り温泉施設があるということで、行楽のついでに立ち寄ってみることにしました。幹線道路からも看板が出ているのでわかりやすそうなところのようです。さっそく案内に従って進んでいくと、やたらと細い道になり、また急に山らしい景色になってきます。さっきまで海辺だったのに、すっかり山奥に来てしまったかのような一面の緑です。こんな先に本当に日帰り温泉施設なんかあるのだろうかと不安になるようなロケーションです。しばらくすると小さな集落に辿り着きました。どうやらこの一角に温泉施設があるようです。ところが、案内の看板はあるものの1回は見過ごして通り過ぎてしまいました。というのも、本当に素朴な佇まいなのです。民家なのかと思って見過ごしていたようです。もう一度戻ると玄関に「ゆとり館」と書かれています。木造の古めかしい佇まいで、なんとも風情があります。また、想像していたよりもずっと小ぢんまりとした施設でした。お湯を沸かしているのでしょうか、薪の燃える匂いがほのぼのとした気分にさせてくれます。さっそく館内に入ると、玄関前に受付、そして右側には休憩室があります。奥に進むと浴場入口がありました。とても素朴で質素な印象です。脱衣場は狭く、簡易的な鍵のかかる木造のロッカーが並びます。3〜4名以上いると狭苦しく感じるでしょう。浴室はこちらも小さな内湯のみです。両脇手前に3つずつ、計6基の洗い場があり、奥に湯舟があります。洗い場にはボディソープやリンスインシャンプー、固形石鹸も用意されていました。湯舟は4〜5名ほど入ればいっぱいぐらいで、中央にジェットバスもついています。角の岩を組んだ湯口からジャンジャンと注がれています。ほとんど透明の湯のようですが、湯舟では軽く色づいて見えます。まるで下の海岸の翡翠のような色をしていて、なんとも綺麗です。ツルンとしてわりとあっさりとした湯ですが、メタケイ酸を含む温泉のようです。この日に限ってなのか、とても熱く、長湯には向かないぐらいでした。もともととても温まる湯として人気があるそうで、確かに湯冷めのしにくいような印象の湯でした。施設としてはとても小さなものですが、すごくアットホームな雰囲気で、のんびりと過ごすことができました。
掲載: 2019/02/24
Data
- 所在地:新潟県糸魚川市木浦
- 源泉名:中尾北湧水
- 入浴 :2018年5月
- 泉質 :メタけい酸による規定泉
- 泉温 :源泉12.8度
- 湧出量:毎分1.8リットル
- PH :8.4
- 蒸発残留物:236.4mg/kg
- 形態 :温泉交流施設 男女別
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 地元度:☆☆☆☆
- 鄙び度:☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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