静岡県
いとうおんせん・とうかいかん
伊東温泉・東海館
昭和初期の温泉旅館で温泉情緒を満喫
伊東温泉は伊豆半島の東海岸、伊豆を代表する大きな温泉街の広がる観光温泉地です。その観光温泉地の歴史を見守ってきたのが、伊東のシンボル的存在の東海館です。ここは昭和3年(1928)に開業した老舗の旅館ですが、平成9年(1997)に廃業し、現在では市の文化財として観光スポットとなっています。伊東大川沿いに建つ木造三階建ての情緒ある建物で、昔ながらの風情な雰囲気が漂います。入館料を払って館内を見学することができるのですが、なんと週末は見学だけではなく、実際に温泉浴場での入浴も可能になるのです。今まで何度も伊東温泉は訪れてきましたが、時間が合わなかったり、混雑していたりとなかなか敷居の高い存在でしたが、今回ようやく訪れることができました。唐破風のいかにも歴史ある旅館といった玄関を入ると、受付があります。この施設には大小2つの浴場があり、時間帯によって男女が入れ替わるシステムになっています。しかも1日に3回も入れ替わるというとても忙しいシステムのようです。どのタイミングで入ろうかと迷ってしまいます。午前中は男性が大浴場だったので、この時間に入ることにしました。玄関の受付ではまずは見学か入浴かを聞かれます。入浴でも浴後に見学もできるので、そちらの方がお得です。浴室は1階の右奥、突き当たりにありました。脱衣所は棚にかご。小規模ながらも狭くは感じません。貴重品は廊下に出たところにロッカーがありました。大衆旅館だったということもあってか、すごくシンプルな脱衣場です。浴室に入るとこちらもまたシンプルです。床、壁、湯舟もすべて総タイル張りで、ガランとした感じで、とても殺風景な印象がありました。窓はありますが、小さめ、また外は道路なので何も見えません。大浴場とはいいながらもそんなに広くはない浴室の正面に大きめの円形の湯舟があります。直径は4メートルぐらいですかね。そこに唐獅子の大きな湯口があります。その存在感が質素な浴室にインパクトを与えているようです。洗い場は壁側に3ケ所。規模のわりには洗い場が少ない気がします。あまりにもシンプルすぎて、旅館の浴場というよりは、地方の共同浴場のような印象を受けました。でもそこにポツンとある唐獅子がいい味を出しています。湯は無色透明のキレイな透明感があります。吸込口などは見当たらないので、掛け流しなのでしょう。そもそもこの浴場が出来た当時は循環なんてものはなかったのでしょう。あまりにもシンプルなので最初はすぐに飽きてしまうかと思ったのですが、浸かっていると何故だか妙に落ち着きます。浴室内はとても静かで湯のトロトロ流れる感じがいいんですね。湯あがり後はのんびりと館内を見学。まさに昔ながらの旅館です。5階の望楼からの景色がとてもよかったです。客室の広縁でくつろぐと旅館で宿泊しているような気分になれたりと、すっかり堪能して楽しむことができました。観光ついでに是非立ち寄りたい温泉スポットです。
掲載: 2019/04/14
Data
- 所在地:静岡県伊東市東松原町
- 源泉名:松原25号泉
- 入浴 :2018年5月
- 泉質 :アルカリ性単純温泉(低張性・アルカリ性・低温泉)
- 泉温 :源泉25.8度
- PH :8.7
- 総成分:0.433g/kg
- 形態 :観光施設 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 優雅度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 人気度:☆☆☆
- レトロ度:☆☆☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆
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