鹿児島県
あんらくおんせん・さかいだおんせん
安楽温泉・さかいだ温泉
日本一の泉質を自負する湯治宿
鹿児島県は個性的な温泉が数多ある温泉天国ということで、何度訪れても毎回驚かされる素晴らしいところです。今回もぷらっと鹿児島の温泉めぐりをすることにしました。ここは空港からもほど近いところにある安楽温泉。すごく地味でとても温泉地とは思えないほどひっそりとしたところです。けっこうふるい歴史があるそうで、康治元年(1142年)に熊野権現が発見し安楽と名付けたとのこと。その中で訪れたのは「さかいだ温泉」です。表札が「境田」とあったので、苗字から取ったネーミングのようです。ここは国道沿いにあるのですが、カーブの途中にあるので、ちょっと入りづらい場所です。玄関の近くの駐車場には屋根があるのですがとても入りづらい場合は、少し手間の屋根なしのところは入りやすいかもしれません。玄関を入るとすぐ脇に受付があります。廊下を右側に進むとすぐに浴室の入口がありました。何だか浴場や旅館というよりは、人ん家って雰囲気です。脱衣場は意外と(失礼!)綺麗で、明るくてモダンです。静かにBGMまで流れています。さっそく衣服を脱いで浴室に入ると、これまた急にB級っぽさが出てきます。これは悪い意味ではなく、独特の雰囲気があるということです。浴室そのものは小ぢんまりとしているのですが、まずは水風呂があって、その先に蒸し風呂。その陰と正面には大きな湯舟。さらに浴室の奥へと進むと打たせ湯があるようです。すごく狭いのにものすごく多彩な湯舟が並んでいるのです。まさにカオス状態です。もの凄く小さくてローカルなクアハウスって感じでしょうか。ちなみにどれも掛け流しのようで、かなり大量に湯が注がれ、そのまま溢れ出ています。もったいないと感じるほど豪快です。また、湯は無色透明なのですが、湯舟の周囲は赤茶色やオレンジ色っぽくなっているところもあり、かなり濃厚な湯のようです。一番入りやすかったのが陰にある湯舟で、なかなかの適温です。すごくあっさりとした湯なのに、妙にドッシリと来る湯です。蒸し風呂は源泉をそのまま利用しているそうで、年季の入った扉を開けると、濛々と湯けむりが出てきます。かなり熱い蒸気でした。正面の湯舟は2つに区切られていて、奥は底に砂というか細かな砂利が敷かれています。ジャラジャラとした砂の感触が気持ちよく、少し温度も低めです。手前の湯舟は逆に熱い湯となっていました。湯舟にはそれぞれ利用法などの説明もあって、本当にクアハウスのような感じです。でも、この妙に温泉臭さが野暮ったくてたまりません。奥にある打たせ湯は、妙に狭い通路を抜けて行きます。すると3つ並んだ打たせ湯があります。こちらもかなり豪快に掛け流されていて、それだけでも凄いのですが、気になったのがそこに置いてある腰掛です。おそらく元はプラスチック製なのでしょうが、温泉成分でコーティングされまくり、まるで岩の塊です。古代遺跡から発掘したものだと言われても、信じてしまいそうなくらい、文化財級の存在感を持っていました。そんだけ温泉成分が濃いのでしょう。でも、この温泉は飲泉もでき、また目を洗うことだってできちゃうそうです。何でもあれの超ド級の温泉って感じでインパクトが強かったです。何だか妙に気に入ってしまい。ついうだうだと長居してしまいそうになります。でも、1人一時間半までにしてくれと貼紙があったところを見ると、そういう風に感じている人が多いのだろうなと思いました。とにかくインパクトの強い、個性的な温泉施設でした。
掲載: 2019/05/20
Data
- 所在地:鹿児島県霧島市牧園町宿窪田
- 源泉名:安楽15号
- 入浴 :2018年6月
- 泉質 :ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉
- 泉温 :源泉54.2度
- PH :6.3
- 蒸発残留物:1.414g/kg
- 形態 :湯治宿 男女別
- 効能 :きりきず、やけど、慢性皮膚病など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 湯治度:☆☆☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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