鹿児島県
ゆのもとおんせん・ゆわくおんせん
湯之元温泉・ゆわく温泉
温泉は日常!ローカルムード満点の共同湯
湯之元温泉は鹿児島県日置市にある老舗の温泉地です。江戸時代の寛永17年(1640)頃の開湯というから、けっこうな歴史があります。でも、この地において温泉は日常であって、特別なものではないようですね。というのも、温泉街には素朴で格安な公衆浴場がいくつもあり、そして家族風呂もいくつもあって、どこに行こうか悩んでしまうほど充実しているのです。そんな中、早朝から営業している「ゆわく温泉」を訪れてみました。街の少し外れにあり、とても静かな場所にあります。建物は年季はずいぶんと入っているものの、しっかりとした鉄筋コンクリート製です。駐車場はその裏手に回ったところにあり、それなりに収容能力はあるようです。早朝6時前だというのにずいぶんと賑わっているようでした。館内に入るとすぐに受付があります。地方の小さな映画館のチケット売り場のような、ちょこんとした受付です。脇の廊下の手前に男湯、奥が女湯となっています。館内の雰囲気を見ると、予想していたよりもまたずいぶんと年季を感じられます。脱衣所も歩くと床がミシミシと音がするほど年季を感じますが、ゆったりと広く、清潔感もあります。古い型のマッサージチェアがあったりとレトロ感もばっちりです。ドライヤーは有料制でした。浴室側はサッシ戸になっていて、昔ながらの銭湯スタイルです。浴室は正面に逆L字型に組み合わさった二つの湯舟があり、右側には3つ、左側には5つのカランがあります。シャワーはなく、湯水のカランだけで、石鹸類も用意はありません。窓は目の高さより上のところにありますが、開けるとすぐ裏の駐車場です。ローカルな場所の男湯ですから、大らかに開けられ、換気されていました。まずは洗い場で湯を汲むと、プンっと軽く漂う硫化水素集がありました。無色透明の綺麗な湯ですが、この軽やかな香りとサラッとした滑らかな湯のおかけで、顔を洗うだけでもその気持ちよさが伝わってきます。湯舟の方は奥に小さな富士山の壁画があり、その脇にライオンの頭の湯口があります。注がれる湯は小さい方の湯舟に流れていて、けっこう温度が高いです。ですので小さい湯舟は温度が高く、大きい方は少しぬるめとなっていました。また、湯は掛け流しなのでしょう、湯舟からも溢れて床を流れていきます。また、湯口のところにはコップも用意されていて、飲泉が可能なようです。飲んでみると、自己主張はしているみものの控えめな香りと味わいの硫黄泉っぽさを感じます。とてもマイルドなので硫黄泉の中では飲みやすい方ではないでしょうか。お湯はわりと大人しめの印象でしたが、浸かっているとグッとのしかかるような、後から効いてくるボディブローのような重さを感じます。そのせいか、浴後は汗がなかなか引かず、すごく温まりを感じる湯でした。これはかなりのものですね。そうこうしているうちにお客さんが少なくなってきました。朝が早い分、引きも早い感じです。シャワーを浴びる感覚でサッと軽く朝風呂を楽しんだのでしょう。そんな贅沢ができるのも、格安の料金だからこそ。そんな湯に毎日入れるなんて、幸福なことなんだろうなぁと感じました。
掲載: 2019/05/25
Data
- 所在地:鹿児島県日置市東市来町長里
- 入浴 :2018年6月
- 泉質 :単純硫黄泉
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 地元度:☆☆☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆☆
- 人気度:☆☆☆☆
- レトロ度:☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆
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