宮城県
ばばおんせん・ばばのゆいちごう
馬場温泉・馬場乃湯壱号
素朴さ魅力的なロケーション、そして抜群の泉質
鳴子温泉と川渡温泉の中間付近、国道47号線沿いに馬場温泉があります。突如、さりげなく現れる一軒宿で、注意していないと通り過ぎてしまうようなところです。ここにとても個性的な温泉があるということで、立ち寄ることにしました。通り沿いに看板があるので、そこから敷地内に入ると、とても地味で田舎の民家のようなところになります。看板がなければ「間違えて民家に入ってしまったか?」と疑ってしまいそうなロケーションです。通りに一番近いところに旅館があり、そこで入浴の受付をするのですが、入口には外湯と内湯のふたつ浴場があることが書かれていました。館内に入ると玄関の正面に受付があります。今回は人気の高い外湯を利用することにしました。料金を払うとそのまま外に出て、敷地の奥へと向かいます。するとすぐに小さな小屋が見えてきます。ここが外湯で、建物を回り込むと入口があります。すごく素朴で質素な建物です。奥には納屋があったりと、田舎の民家そのものです。ここも納屋の一部かと思うような佇まいです。入口の扉には立て札があり、「どうぞ」と書かれているものをひっくり返すと「入浴中」にかわり、なんと貸切で利用できてしまうのです。制限時間は30分と短めですが、安い料金のわりにとてもビッグなサービスです。中に入ると簡素な脱衣場があり、そのすぐ脇にコンクリートで整備された質素な湯舟があります。とても小ぢんまりとした湯舟なので、確かに貸切でないと難しいですね。しかも浴舎はひとつしかないので、当然ながら混浴になります。大人が2〜3名くらいなら入れる大きさです。湯はトロトロとけっこう多めに掛け流されています。琥珀色をした湯は独特な香りを漂わせています。モール臭でしょうか、芳しい甘い香りです。さっそく湯舟に浸かろうと湯をかぶりますが、これがまたとんでもなく熱いです。思わず「あちっ」と声に出しちゃうほどですが、何度か掛け湯をして慣れてくると、不思議と浸かれるようになります。そぉーっと波を立てないようにゆっくりと体を沈めていくと、ジーンと痺れるよな熱さはありますが、段々と慣れていきます。すごくあっさりとしているのかと思いきや、これがまたすごくヌルッとする滑らかな湯です。まるで化粧水の中に浸かっているかのような、非常にツルツルとした軽やかな浴感に包まれるのです。1分も浸かっていると汗がとまりません。湯に浸かったら出て、また落ち着いたら浸かるの繰り返しで、30分はあっという間に過ぎてしまいそうです。浴後はいつまでたっても汗が止まらないぐらいで、とてもポカポカです。冬場なら気持ちよく過ごせることでしょう。真夏だったのですぐ目の前の河川敷で風に吹かれながらゆっくりと涼みました。この不思議なロケーションの湯の良さは格別です。知る人ぞ知るって感じのローカルさも良く、素朴で無垢な雰囲気もいいし、とてもおススメの温泉です。
掲載: 2019/06/20
Data
- 所在地:宮城県大崎市鳴子温泉馬場
- 入浴 :2018年7月
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 露天風呂:なし
- 脱衣所:あり
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆
- 地元度:☆☆☆☆
- 穴場度:☆☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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