滋賀県
おごとおんせん・ろっかくあしゆ
雄琴温泉・六角足湯
駅前にポツンと佇む小さなオアシス
琵琶湖の南西部にある雄琴温泉は、平安時代の僧である最澄によって開湯されたという、とても歴史の長い温泉地です。かつてバブル期には関西の奥座敷として賑わいを見せたり、歓楽街として知られていましたが、バブルの崩壊後、一時的に廃れたものの、その後復活して活気を取り戻しているようです。JRおごと温泉駅は、温泉街から少し北に向かったところにあります。以前は「雄琴駅」でしたが、温泉地であることをアピールするために、地元民の働きかけによって平成20年(2008)に改名したそうです。その駅の正面脇、ロータリーの隅に小さな六角堂のようなものが見えます。小さな祠か何かのように見えますが、なんとこれは足湯施設のようです。無料で開放されているので自由に利用することができます。電車旅であれば、宿に行く前や電車待ちの時間でサッと気軽に立ち寄れます。今回は電車旅ではなくクルマ旅でしたが、すぐ近くにコインパーキングがあったので、そこを利用して訪れてみました。見た目にはやはり祠に見えるので仏像でも中にあるのかなんて思ってしまいます。中を覗くと六角形の湯舟の三辺がベンチになっていて、足湯となっていました。とても小さいようですが、中に入るとそこそこ広く感じます。そんなに大きな施設ではないので、ベンチに2人ずつ座ったら、合計で6人くらい利用できるというぐらいの規模です。それにしても駅前のいい場所にあるのに誰も利用していません。何か悪い予感しかしません。最初は閉鎖されてしまっているのかと不安になりましたが、しっかりと湯も張られています。ところが、足を入れてわかったのですが、とてもぬるいのです。年末の寒い時期に訪れたのですが、浸かっていてもちっとも温かくなりません。湯の出るパイプの出口のところでようやく温かいって感じです。夏場なら水遊び感覚でちょうどいいかもしれませんが、さすがにぬるすぎて逆に寒くなってきちゃいました。いつもそうなのか、このときがたまたまだったのかわかりませんが、もう少し温度が高くないとせっかくの足湯であるのに利用できませんね。湯は無色透明で特に気になる浴感はありません。とてもあっさりとした湯だったので、浸かっていて気持ちはいいのですが、とにかく温度がもう少し欲しいところでした。ちなみに扉のところには由来が書かれていて、それによると最澄が六地蔵を刻んで安置したと伝えられている、比叡山延暦寺の門前町・坂本にある早尾地蔵の建物をモデルとして建てられたものだそうです。温泉の開祖と、この地の歴史を結び付けて観光を意識させている点が、とても憎い演出ですね。とてもコンセプトにセンスのある温泉施設でした。
掲載: 2019/08/28
Data
- 所在地:滋賀県大津市雄琴北
- 源泉名:市第5号泉
- 入浴 :2018年12月
- 泉質 :アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性温泉)
- 泉温 :源泉34.0度
- 成分総計:0.28g/kg
- ラドン含有量:18.29×10-10キュリーラドン/kg
- 形態 :足湯施設 男女混浴
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 脱衣所:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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