三重県
さかきばらおんせん・りょかん せいしょうなごん
榊原温泉・旅館 清少納言
七栗の湯として清少納言にも愛された湯
三重県の榊原温泉は古く万葉の時代から受け継がれてきた歴史ある老舗温泉地です。枕草子では「ななくりの湯」として出てくるなど、当時から人気の温泉地だったようです。現在もいくつかの温泉旅館が建ち並び、歓楽的な要素はないもののも、閑静な静養向きの温泉地となっています。今回は立ち寄りで入浴しようと訪れることにしました。日帰り入浴だと榊原館が有名で、最初はそっちに行こうと思ったのですが、とても混雑していたので、前々から気になっていた隣の旅館「清少納言」に訪れることにしました。こちらも大きな旅館ですが、とても空いていたのでラッキーです。館内に入りフロントで入浴の受付をすると、脱衣所にはロッカーがないので貴重品はフロントに預けてくださいとのこと。財布や携帯などを預けていざ浴場に。浴場は廊下をずっと奥に行き、地下に降りたところです。フロントからちょっと離れていますが、「大浴場」との案内に従っていけば、迷うこともないでしょう。脱衣場に入ると、シンプルながらも広くてゆったりとしています。壁に掛けられた孔雀の絵がかっこいいです。洗面台も広く、そして外側はガラス窓ですが、脇を流れる清流を眺めることができて、開放的です。浴室に入ると、こちらは内湯のみですが、ゆったりとしています。シンプルといえばシンプルですが、落ち着いた雰囲気です。中央に大きな湯舟があり、窓際の奥に小さな湯舟。内壁側と窓側に洗い場が並びます。窓側の洗い場は鏡はなく、そのまま外の景色を眺められます。川は浅く、綺麗な澄んだ水が流れていました。対岸はのんびりとした田舎の景色と山です。絶景というわけではありませんが、こういう普通の景色が落ち着きます。体を流してさっそく湯舟に浸かりますが、無色透明のすごく綺麗な湯は、肌に触れるとツルツルっとした軽い浴感があります。また、それでいてキュキュッと締まる感覚もあって、すごく気持ちがいいです。さすが名湯と呼ばれるだけあって、とても個性的な湯です。温度もそんなに高くないので、じっくりと浸かることができました。脇の小さな湯舟は「源泉」と書かれています。さっそく足を入れると、かなりぬるいというか、冷たくない程度の水でした。こちらもツルツル、キュッとした滑らかな感触で、とても気持ちがいいです。冷たい方と温かい方とを交互に入ると、すごく気持ちよくて和みます。ちなみにカランの湯水も源泉なのでしょうか、体を流しているときもツルツルっとした感覚があり、とても肌が潤うような気持ちになりました。こういうタイプの温泉は、数日ほど逗留すると効果がよりアップしそうです。今まで何度か榊原温泉は来ていますが、一度も宿泊したことがないので、機会があれば宿泊してじっくりと味わってみたいものです。
掲載: 2019/09/05
Data
- 所在地:三重県津市榊原町
- 源泉名:榊原温泉(七栗の湯2号)
- 入浴 :２０１８年１２月
- 泉質 :アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性低温泉)
- 泉温 :源泉26.5度
- 湧出量:毎分60リットル
- ＰＨ :９．６
- 蒸発残留物:0.30g/kg
- ラドン含有量:5.5×10-10Ci/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 優雅度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
温泉レポートを検索