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石川県

やましろおんせん・こそうゆ

山代温泉・古総湯

ノスタルジックを再現させた体験型共同湯
山代温泉は北陸を代表する大きな温泉地のひとつで、古くから賑わう老舗の温泉地です。神亀2年(725)に行基により発見されたという開湯伝説があり、実に1300年ほどの長い歴史があります。戦国時代には明智光秀が湯治に訪れたなんて記録もあるそうです。現在も非常に大きな温泉地で、宿泊施設や土産物屋など温泉街が形成され、歓楽的要素もあって活気づいています。その中心的存在が共同湯の古総湯です。新しい共同湯、総湯の目の前にあり、四方を道路に囲まれた、というよりロータリーのど真ん中に温泉施設がある感じが独特です。まるでローマの凱旋門みたいな印象を受けました。とても古風な木造の湯小屋で、脇の柳の木がとても風情を盛り上げてくれています。ここは明治時代にあった総湯を再現させたという、とても古風な共同湯です。建物は二重壁のようになっていて、中に入るとぐるっと取り囲むような通路があります。東側の女湯の入口脇に入浴券の自動券売機があるので、そこで入浴券を購入して受付に渡します。男湯は女湯の反対側にありました。中に入るとすぐに下足箱があります。左に行くと階段があって上の休憩所にいけるそうです。右側正面が浴場の入口でした。初めての利用を告げると、受付のおばちゃんが丁寧に説明をしてくれます。休憩室の場所や脱衣所の場所、源泉は熱いから触るななど、浴室の中にまで入って説明してくれました。後から来る客にも同じ説明をしていたので、とても丁寧な仕事ぶりです。外国人も多いようで、外国の方には注意を書いたパネルを見せながら、英語で対応していました。浴室と脱衣所は同じ空間にあります。昔ながらの共同湯のイメージです。浴室の中央に四角い湯舟があって、衝立を挟んで手前側に脱衣スペースと棚がありました。浴室はとても高級感があります。なんでしょう、この空間は。窓はステンドグラスでとてもカラフル。壁は赤茶色にツヤのあるしっかりとした板で、ハバキ部分は扇子の絵の描かれたタイル。床も古風な絵柄のタイルです。女湯側にはしっかりとした扉があります。まさか開くことはないのでしょうが、面白い造りです。湯舟もどっしりとしたもので、その手前に円形の湯の注ぎ口がありました。湧き出る湯は無色透明で、かなりの高温です。手を入れないでと言われたので入れていませんが、近づいただけで熱気を感じます。そんなわけで湯舟の湯もわりと温度は高めでした。中に入ると最初はすごく熱く感じましたが、慣れるとそうでもありません。でもそんなに長湯には向きません。ジワッと汗が出てきて、すぐにのぼせてきます。体を冷ましながら交互にじっくりと湯に浸かります。天井はものすごく高いので、意外と換気がよくてまったく蒸していません。なので体を冷ましながら、何度でも湯を楽しむことができました。浴後は休憩所に行ってみたいと思います。休憩所は2階にあるので階段を登りますが、けっこう長い階段です。そういえば浴室の天井が高かったので、その上にあるということですね。登りきると周りの景色も見える、とても開放的な広間です。これはなかなかいい雰囲気です。お茶と水のサービスもあり、ゆっくりと寛ぐことができました。それにしてもこの雰囲気は只者ではありません。すっかりファンになってしまいました。また是非遊びに来たいと思います。
掲載: 2019/10/02
Data
  1. 所在地:石川県加賀市山代温泉
  2. 入浴 :2019年5月
  3. 泉質 :ナトリウム・カルシウムー硫酸塩・塩化物泉
  4. 形態 :共同浴場 男女別
  5. 効能 :健康増進・疲労回復・慢性消化器病・慢性皮膚病・病後回復期など
  6. 露天風呂:なし
  7. 脱衣所:あり
  8. 開放度:☆
  9. 清潔度:☆☆☆☆
  10. 気軽度:☆☆
  11. 優雅度:☆☆☆
  12. 異色度:☆☆☆☆☆
  13. 人気度:☆☆☆☆☆
  14. レトロ度:☆☆☆☆
  15. 景色 :☆
  16. 総合評価:☆☆☆☆