新潟県
ゆばらおんせん・ねこはなのゆ
湯原温泉・猫鼻の湯
まるごと手作り感が半端ないナチュラルな温泉
糸魚川から松本方面に抜ける途中、どこかで温泉でも入ろうと検索すると、「猫鼻の湯」なんていうとても魅力的な名前の温泉を発見しました。地図を見るかぎり、とてもロケーションの良さそうなところなので、さっそく訪れてみることにしました。国道148号線を走っていると、姫川温泉を過ぎて来馬温泉に辿り着く手前ぐらいから脇道に入るようです。国道沿いに温泉の幟と案内表示があったので見落とすことなくわかりました。脇道に入ってすぐ、トンネルの入口まで辿り着きますが、進入禁止となっていて中に入れません。するとそのすぐ脇に「くだり坂だよ」と看板がありました。未舗装の細くて急な下り坂です。そこを降りると急に開けて、その正面に簡素な小屋がありました。どうやらここがその猫鼻の湯のようです。掘立小屋のような質素な、でも何だか妙に生活感と味のある佇まいです。クルマとバイクが何台か停まっていて、数人の客らしき人たちが立ち話をしていました。人知れずって感じの場所なのに、けっこう人気があるようです。さっそく館内に入ると、すぐ横にレジがあります。入浴料を支払って左手奥にある「男湯」に向かいます。奥といっても、ほんの小さな休憩スペースの先です。でも、その休憩スペースには食事の用意もしてあって、これから昼食をとる感じです。何だか他人の家にあがりこんだみたいな雰囲気で、どうしていいものか戸惑いますが、そのまま浴室へ向かいました。扉を開けると小さなスペースがあってさらに奥に扉があり、そこが脱衣所になっていました。こちらもいかにも手づくりといった簡素な感じですが、妙に不思議な生活感があります。カレンダーなどに紛れて温泉分析表も掲げられていました。棚やカゴがあるので、衣服はそこに脱いで浴場に向かいます。浴場とはいっても露天風呂です。まわりを板の壁に囲まれ、姫川を正面にとても開放的な湯舟が目の前にありました。外に客はいっぱいいたのですが、浴場には誰もいません。ラッキーでした。湯舟は大きめのものがひとつだけ、パイプからジャブジャブと湯が注がれています。湯は薄く黄色というかウグイス色っぽく色づいています。また、けっこう熱い湯です。爽やかな風が吹きぬける中、熱い湯の中に体を沈めると、スーっと体から力が抜ける感じで気持ちがいいです。天気も良かったので目の前の山々の新緑や、青い空、川のせせらぎを感じられ、とても気分がいいです。それにしてもこの独特の雰囲気は不思議です。こんな露天風呂なのに壁にはカレンダーやポスターが貼ってあったりします。雨風に晒されてか、色褪せていたり、ふやけて紙がゴワゴワになっていたりします。また、後ろには小さなステンレスのバスタブがありました。掛かり湯ですかね。熱いです。それから入口に脇にはシャワー室のようなものがあります。どこまでも不思議な雰囲気が続きます。湯は飲泉もできるようで、柄杓も用意されています。飲んでみると金属的というかミネラルたっぷりといった感じの湯でした。湯舟に体を沈めて正面を見ると、猫の頭と笛を吹く子ども(天使?)の像があったりして、目を楽しませてくれていました。何だか新しい世界に来てしまったかのような不思議な雰囲気でした。浴後は先ほどの休憩室では食事をする数人がいました。また、隣の建物にも何人もの人がいます。何だか不思議なコミュニティがあるような感じがしました。それと駐車場の正面には「露天風呂」と書かれている場所があります。他にもまだ湯舟があるのかと行ってみると、こちらは高台になったところに屋根もない開放的な湯舟がありました。さっそくこっちも浸かってみますが、入っていてふと気付いたのが、「はて、ここは男湯だろうか? 何も書いてなかったぞ」。ということで、貸切なのか混浴なのかよくわかりませんが、とても開放的な湯舟がありました。とにかく色々と不思議づくしの温泉で、しかも泉質もいいし、景色もいいという、何ともミラクルワールド的な温泉でした。
掲載: 2019/10/08
Data
- 所在地:長野県北安曇郡小谷村北小谷
- 入浴 :2019年5月
- 泉質 :ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-炭酸水素塩・塩化物温泉
- 泉温 :源泉54.7度
- 形態 :温泉入浴施設 男女別
- 効能 :慢性消化器病、慢性便秘、糖尿病、痛風、肝臓病など
- 露天風呂:あり
- 脱衣所:あり
- 開放度:☆☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 野趣度:☆☆☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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