北海道
あかんこはんおんせん・まりもゆ
阿寒湖畔温泉・まりも湯
まりもで有名な阿寒湖畔の公衆浴場
北海道の東部、雄阿寒岳の西にある、関西人の嘆きのような名前の阿寒湖は、天然記念物の「まりも」で有名です。まりもは球状集合体を作る藻で、大きいものだと30センチほどになるそうです。球状にならないマリモは日本各地に点在するとのことですが、世界的にも球状になるのは珍しいそうです。阿寒湖畔には温泉が湧いていて、古くから温泉地としても人気があるようです。まりも湯は阿寒湖畔からすぐ、商店街の中にある小さく素朴な公衆浴場です。阿寒湖観光のついでに立ち寄ってみることにしました。観光遊覧船のすぐ近くで、わりと目立つ看板もあるのですぐにわかりました。本当に素朴な共同湯的な存在のようです。夕方の一番混雑しそうな時間に訪れたのですが、番台のおばちゃんが、「ちょうど夕飯の時間で出て行っちゃったから、ちょうどよかった。ゆっくりとしていきな」とのこと。とても愛想のいい方でした。中に入ると小さなロビーがあり、正面が女湯、左側手前に男湯がありました。カーテンをくぐると脱衣場です。簡素な棚にカゴ、そしてちょっと雑多な生活感が、とてもローカルな感じで情緒を感じます。そういえば足元がやたらと暖かいです。なんと床暖房のようです。温泉の熱を利用したものでしょうか、ポカポカ感がいいですね。ガラス戸の先は浴室です。とても小ぢんまりとした内湯で、内側にシャワー付きの洗い場、そして窓側に湯舟がひとつだけあります。洗い場にはボディソープや石鹸、シャンプーも用意されています。なんと良心的なことでしょう。洗い場の足場が水浸しにならないように、足場が設けられているところにも、優しさを感じます。さっそく湯舟に向かうと、こちらは無色透明の湯がトロトロと注がれています。わりと熱い湯ですが、すごくさっぱりとした熱さなので、そんなに苦ではありません。むしろ、体の芯まであたたまりそうなちょうどいい熱さです。湯は源泉掛け流しだそうで、浴槽からどんどん湯が溢れ出ていました。透明な湯ですが、ツルツルとした浴感のあるとても滑らかな感触の湯です。ヌルヌルとまではいかないけど、肌がつるりんとすべすべ感のある湯でした。これはなかなかポテンシャルの高い湯ですね。ところで、湯舟の脇には何やら木製の球が並んでいます。壁にくどいように書かれている説明を読むと、これは「木でできたまりもちゃん」だそうです。この木の球を湯舟に浮かべて遊べるとのこと。さっそく木の球をいっぱい浮かべて遊んでみました。こういうのってついつい童心に返って遊んでしまいますね。そうこうしているうちに汗だくになりながらも、ついつい長湯になってしまいました。浴後は冷たい空気で体を冷ますため、アイヌコタンまで散歩することにしました。なんとも気持ちがよく、ちょっと肌寒い天候だったにも関わらずとても爽やかに過ごすことができました。とてもあたたまりのいい湯なので、寒い時期には重宝できる温泉でしょう。
掲載: 2019/10/23
Data
- 所在地:北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉
- 源泉名:花ゆう香
- 入浴 :2019年6月
- 泉質 :単純温泉(中性低張性高温泉)
- 泉温 :源泉60.0度
- PH :6.8
- 蒸発残留物:0.591g/kg
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :慢性関節リウマチ、慢性筋肉リウマチ、神経痛、神経炎など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 地元度:☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆
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