北海道
しかりべつきょうおんせん・しかのゆ
然別峡温泉・鹿の湯
野営場の奥に湧く、ワイルドな野天風呂
帯広市街地からクルマで1時間ちょっとぐらい、道道1088号線を北上していくと然別峡に辿り着きます。とても静かな山の中で、まさに秘境。携帯の電波も届かないような、人里離れた奥地です。そこに然別峡かんの温泉という素朴な温泉宿があり、さらにそこから谷間に降りていくとシイシカリベツ川沿いに然別峡野営場というキャンプ場があります。大自然の中、キャンプやバーベキューを楽しむのもいいですが、なんとそこにはワイルドな雰囲気の野湯があるというから、辺鄙なところにも関わらずとても人気があるようです。キャンプはせずにこの温泉だけを求めてくる人も多いとのこと。そんな自分もそのうちの一人ですね。ここは15年以上ぶりの再訪ですが、今回は平日にやってきたのでとても静かな雰囲気です。さっそく野営場の駐車場に辿り着き、いざ野営場を突っ切っていきます。するとその一番奥側に川に降りていく道があり、そこから川沿いに少し進むと、素朴でワイルドな鹿の湯が見えてきます。簡易的な脱衣所が設けられていてはいるものの、本当にすごく開放的で野趣溢れるロケーションです。脱衣所は手前側がベンチというか荷物置きになっていて、その奥に狭い小さな空間。男女の区別はないので当然ながら混浴となります。女性はこの奥のスペースで着替えるといいかもしれませんが、ほとんど目隠しにもなっていないようなオープンな感じなので、こういうのに慣れている人でないとかなり厳しいものでしょう。湯舟はそれなりに大きくて、大きな石をコンクリートで固めて整備したような感じです。円を描いたような丸い湯舟で、中央に島があります。脇の崖下に小さな窪みというか湯舟があって、そこから湯が湧いているようです。その小さな湯舟からこの大きな湯舟へと注がれていました。温度はなんともいえないちょうどいい温度。湧き出てる湯は少し熱めですが、湯舟ではちょうどよくて快適です。無色透明の湯で、ほんの少し濁りを感じる程度です。なんとなくしょっぱいような気もします。夏場などシーズンの最盛期にはけっこうたくさんの人で混み合うようですが、6月下旬のこの時期には他に利用者もいなくて独占状態でした。谷間を流れるシイシカリベツ川を眺めながら、ワイルドな雰囲気を静かに楽しむことができした。野生動物も多いエリアなので、場合によっては熊の出没によって立ち入れないこともあるようですが、今にも何かが出てくるような、そんなドキドキ感が味わえる野湯でした。
掲載: 2019/11/24
Data
- 所在地:北海道河東郡鹿追町
- 入浴 :2019年7月
- 形態 :野湯 混浴
- 脱衣所:至極簡易的なもの
- 開放度:☆☆☆☆☆
- 清潔度:☆
- 気軽度:☆☆
- 野趣度:☆☆☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆☆
- 疲労度:☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 人気度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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