北海道
しかりべつきょうおんせん・めのこのゆ
然別峡温泉・メノコの湯
岩の間から硫黄分が湧き出るワイルドな野湯
帯広市街地からクルマで1時間ちょっとぐらい、道道1088号線を北上していくと然別峡に辿り着きます。とても静かな山の中で、まさに秘境。携帯の電波も届かないような、人里離れた奥地です。そこに然別峡かんの温泉という素朴な温泉宿があり、さらにそこから谷間に降りていくとシイシカリベツ川沿いに然別峡野営場というキャンプ場があります。また、このシイシカリベツ川沿いにはいたるところから温泉が湧きだし、天然の野湯が存在します。そして、この野湯を有志達が管理して、手作りの湯舟が作られるようになったとのこと。そのひとつが「メノコの湯」です。周囲にはいくつもの湯舟があり、それぞれに名前がついているようです。メノコの湯にはダム下の湯に向かい、途中二手に分かれる道を下流側に行くと湯舟が見えてきます。この湯舟は川の脇にありますが、すぐ川辺にあるのではなく、ちょっと高くなったところにありました。この下に行くと「崖下の湯」があり、そこから川を少しさかのぼったところに「ペニチカの湯」がありました。それぞれ有志達にしっかりと管理されているようで、桶やらバケツやらデッキブラシなど、入浴や維持に必要なものが傍に置かれています。このメノコの湯はとても小さな湯舟で、崖の岩の間から湯が注がれているようです。石を囲った湯舟には透明の湯があふれています。最初は湯舟の表面に虫の死骸が浮いていたり、底に木の葉が沈んでいたので、設置してあった網ですくって、少し掃除をしてから入りました。最近誰か利用したのか、全体的にとてもきれいです。それにしても温度は何とも適温です。一見すると加水どころかどこから注がれているのかよくわかりません。山側の岩のあたりが温かいので、その岩の割れ目から湯が湧いているのでしょうか。また、その岩の上のところは少し黄色く付着物があります。硫黄の成分でしょうか。お湯はとてもマイルドで、軽く硫化水素の匂いが漂います。周囲に着替えるところはないので、湯舟の傍らで衣服を脱いで入ります。大き目のビニール袋を用意しておくと、とても便利です。山の中で素っ裸になるのは、なんとも不思議な羞恥心みたいなものがありますが、周囲には誰もいなく、そんなものはやがて解放感へと変わっていきます。湯舟に浸かると、目の前の川を見下ろしながら、とても気分よく入浴することができました。ちなみに、湯舟に浸かっていると、どこからか大量のアリが現れました。しかも、湯舟の傍まできて、そして何匹かは湯舟に落ちて溺れています。どこからやってきたのでしょうか、湯舟に人が入ったので岩の隙間にいたアリが出てきたのでしょうか。このアリ、腹の赤いやつで、すぐ噛んでくるので痛いやつです。湯舟に落ちたやつをそっと外に出しつつ、温泉を楽しみました。
掲載: 2020/02/03
Data
- 所在地:北海道河東郡鹿追町
- 入浴 :2019年7月
- ラドン含有量:9.43マッヘ
- 形態 :野湯 混浴
- 脱衣所:なし
- 開放度:☆☆☆☆☆
- 清潔度:☆
- 気軽度:☆
- 穴場度:☆☆☆
- 野趣度:☆☆☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 疲労度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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