岡山県
かしおおんせん・もがみそう
かしお温泉・最上荘
田んぼの中にある素朴で小さな温泉施設
岡山駅から車で30分ほど、岡山桃太郎空港からだと15分ほどの場所にポツンと「かしお温泉」があります。夏休みに出かけた際に近くの温泉を探していたところ、たまたま検索して見つけたので立ち寄ってみることにしました。国道429号線から脇道に入るとすぐに足守川という小さな川があり、その先に目的地があるようです。日帰り入浴施設との情報だったのですが、近くに来るまで案内の看板らしきものもなく、しかも道は細くて田園地帯に入っていくような感じです。多少の不安は感じながらもナビに従って進んでいきます。すると「かしお温泉」と書かれた看板のある建物が見えてきました。駐車場は少し離れた場所にあるようです。ところが何と表現していいものか、見た目は民家のようです。田舎の小さな集落にポツンとある民家そのものという感じです。この大きな看板がなければ躊躇してしまいそうな佇まいです。看板はそんなに古くもなさそうだし、玄関前には大きな暖簾に温泉マーク、そして門扉の前には「営業中」と書かれた立て看板もあるので、あまり臆することなく玄関を開けることができました。館内に入ってもやはり民家って感じです。するとすぐに奥から人がでてきました。入浴を請うとすぐ廊下の先にある浴室に案内されました。もとは小さな旅館だったのでしょうか、意外と奥行きがあるような感じがありましたが、やはり小ぢんまりとした印象です。廊下にロッカーがあり、脱衣場はかごが用意されていました。脱衣所は小さく浴室に入るとタイル張りのシンプルなものです。小さなツルツルのタイルが敷き詰められた湯舟はとても昭和の香りがして懐かしさがあります。他に入浴客はいなかったので窮屈には感じませんでしたが、やはり狭い感じがあります。声を出すとすごく響く感じがありました。これで歌を歌ったら気持ちがよさそうです。湯は無色透明でとってもクリアな感じです。放射能泉ということですが、すごく軽く、そしてツルツルとした浴感もありました。とてもぬるい湯だったので、さらに軽く感じます。真夏の暑い時季だったこともあり、なんともちょうどいい湯加減でした。曇りガラスの窓が閉まっていたので、開けて外を見てみると、そこには田んぼが広がっています。本当に田舎の長閑な風景です。壁には温泉についての説明が書かれていました。それによると文政年間(1818〜1831)に不作に悩まされた年があったものの、この一角だけが豊作だったのを不思議に思い掘ったのが始まりとのこと。大正時代には「最上温泉旅館」として栄えていたとのことでした。今ではあまり目立たない地味な存在のようですが、泉質はとても悪くなさそうなので、もっと人気が出てもおかしくないのかなと感じました。浴後、玄関を出ようとすると休憩もできるからどうぞゆっくりと促されました。穴場的な雰囲気で、のんびりと過ごすことができとても快適でした。
掲載: 2020/03/07
Data
- 所在地:岡山県岡山市北区粟井
- 入浴 :2019年8月
- 泉質 :単純弱放射能冷鉱泉(低張性アルカリ性冷鉱泉)
- 泉温 :源泉23.0度
- PH :8.9
- 蒸発残留物:0.1623g/kg
- ラドン含有量:38.9×10-10Ci/kg
- 形態 :日帰り温泉施設 男女別
- 効能 :高血圧症、胆石症、慢性婦人病、痛風、動脈硬化症など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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