島根県
うしおおんせん・かつらそう
海潮温泉・桂荘
太古のロマンを感じる、歴史の名湯
島根県の東部にある雲南市は山々に囲まれた自然豊かな地域で、四季折々の自然美を楽しめる田舎風景が広がります。神話の街として観光資源にも恵まれていて、毎年多くの観光客が訪れているのだそうです。海潮温泉は長閑な田園地帯にある地味な温泉地です。しかしながら、天平5年(733)につくられた出雲国風土記に、この海潮温泉のことが記されているという、非常に長い歴史を持つ温泉です。そこに気軽に入浴できる温泉施設があるということで訪れてみることにしました。たどり着くとそこには「東農村環境改善センター」と書かれた大きな施設がありました。今までそんな温泉施設があるということを気がつかなかったので、てっきり新しい施設なのかと思っていたのですが、そんな新しいようには見えません。以前からあったのですかね。山間の静かな場所にあり、とってものんびりとした雰囲気のところにありました。玄関を入ると入浴券の自動券売機と受付があり、左奥へと行くと浴場があります。浴場までは少し距離があり、その間に休憩間があります。脱衣場は棚にカゴ、そして一部に鍵付きのスチールロッカーがあります。わりと小ぢんまりとした印象です。特に可もなく不可もない脱衣場ですね。浴室はゆったりと広めですが、露天風呂はなく内湯のみです。天井が高く、大きな梁がとても印象的です。浴室内は手前側に小さなサウナ、そして洗い場、反対側に大きな主浴槽と小さな水風呂がありました。窓はガラスの大きなものですが、中央部分が曇りガラスになっていて、上と下だけクリアなものです。ガラス窓のすぐ外側は塀になっていて、狭いスペースを坪庭のようにしてあります。なので、ガラスの下側はそのつぼ庭、上は空が見えるだけです。景色はあまり期待できないようです。湯舟はとても大きくてどっぷりと浸かれます。黒い御影石の浴槽で、角の湯口から丸太の樋が伸びていて、その先に鬼の面の湯口がありました。なぜ、わざわざ湯口を延長しているのかわかりませんが、シンプルな浴室にアクセントをつけてくれていました。木造の鬼の面の湯口なんて、とても珍しいですね。また、湯舟に使われている黒御影石ですが、よく見ると金粉のようなものが所々に見えます。なんとも綺麗な石でした。お湯は無色透明の単純温泉です。さっぱりと、それでいてしっとりとしたキメ細かい湯で、少し重たいような感じの湯でした。夏場の暑い時季だったこともあり、湯舟に浸かるとどんどん汗がでます。水風呂を活用しながらじっくりと温泉を味わってきました。非常にシンプルな浴場ですが、のんびりとしたローカルな雰囲気が味わえて、とてもまったりと過ごすことができました。
掲載: 2020/04/05
Data
- 所在地:島根県雲南市大東町中湯石
- 入浴 :2019年8月
- 泉質 :単純温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)
- 泉温 :源泉42.4度
- 成分総計:0.89g/kg
- 形態 :温泉入浴施設 男女別
- 効能 :筋肉・関節の慢性的な痛み又はこわばり、冷え性、疲労回復など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 地元度:☆☆☆☆
- 穴場度:☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆
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