茨城県

ゆのさわこうせん

湯の澤鉱泉

山の自然で四季を感じる癒しの宿
茨城県常陸大宮市の山間部、水郡線山方宿駅からクルマで10分ほどの山の中に湯の澤鉱泉があります。日本秘湯を守る会の会員宿ということで、素朴で小さな宿ながらも人気のある宿です。今回は立ち寄りで入浴させていただきました。県道から山道に入るところには、大きな看板もあり、また食事や休憩などの幟も立っているので、あらかじめ場所を地図で見ていれば問題なく辿り着くでしょう。県道からは細くクネクネとした山道がちょこっと続きます。やがて辺鄙感満載の山の合い間にポツンと宿が見えてきます。木造の山小屋らしい姿の建物ですが、とても上品な印象がありました。館内に入ると左側に大広間、正面に受付、そして浴室は右奥にありました。入浴を請うと快く受け入れてくれ、さらにスタンプカードもくれました。何回か利用すると特典があるようです。とても活力があって威勢のいいおばさんが対応してくれました。脱衣場は棚にカゴ、そしてスチールロッカーもありました。けっこう小ぢんまりとしてやや雑多な印象です。浴室も規模はそんなに大きくはないものの、宿の規模からしたらずいぶんとゆったりと大きいものではないでしょうか。壁側に洗い場が並び、正面角に湯舟があります。湯舟は桧風呂になっていて、横が4メートル、縦が2メートルぐらいです。ほぼ無色透明の湯が注がれていますが、光の加減なのか微妙に黄色く濁りがあるようにも見えました。さっそく体を流して湯舟に浸かりますが、けっこうしっかりとしたツルツル感のある湯です。とても柔らかく、でもちょっと荒削りなような野暮ったさの感じる湯です。湯舟は底の部分が半分は檜、半分はタイル張りになっています。なんだかとても不思議な湯舟だなぁと思いながら入っていたのですが、その訳は脱衣所に書かれていました。それは東日本大震災で被災した際に壊れてしまい、その修復の結果なのだそうです。不思議と不恰好な雰囲気はなく、わりと調和している感じでした。それにしても本当に静かです。チョロチョロと湯の注がれる音だけが響き、なんとも落ち着いた気持ちになります。正面のガラス窓からは先ほど通ってきた山道と正面の山が見えるぐらいで、特別な景色ではありませんがのんびりとした気分が味わえます。また、脇にはウッドデッキとベンチがあり、火照った体を冷ますにはちょうどいいようなテラスがありました。素朴な宿ながらも浴場も居心地は良いようです。すっかりと温まったところで浴場を後にしました。大広間では食事もできるようで、とてもいい匂いが漂っています。メニューをみるとけっこう豊富で、会席料理から定食類、丼物まで揃っていて、入浴ついでに食事もできるようです。下手な日帰り入浴施設に行くよりものんびりと快適に過ごせそうな印象でした。付近には何もないので、ここではのんびりと温泉と料理を楽しむ。そんな贅沢な休日を味わえる宿のようです。
掲載: 2020/04/30
Data
  1. 所在地:茨城県常陸大宮市山方
  2. 入浴 :2019年12月
  3. 泉質 :温泉法第二条の規定により適合する温泉(炭酸水素ナトリウム)
  4. 泉温 :源泉18.4度
  5. 湧出量:毎分13リットル
  6. PH :7.9
  7. 蒸発残留物:0.352g/kg
  8. 形態 :鉱泉旅館 男女別
  9. 効能 :神経痛・皮膚病・リウマチ性疾患・創傷など
  10. 露天風呂:なし
  11. 開放度:☆☆☆
  12. 清潔度:☆☆☆
  13. 気軽度:☆☆
  14. 秘湯度:☆☆☆
  15. 異色度:☆☆☆
  16. 湯治度:☆☆☆☆
  17. 景色 :☆☆☆
  18. 総合評価:☆☆☆