長野県
ひしのおんせん・ときわかん
菱野温泉・常盤館
ミニ登山列車で行く絶景露天風呂
JR小海線、又はしなの鉄道線の小諸駅から車で15分ほど、浅間山方面へと山を登っていく途中に菱野温泉があります。ここには薬師館、常盤館という二つの宿があり、どちらもノスタルジックな雰囲気の和風旅館です。常盤館は薬師館の少し下側にある大きな旅館です。この旅館には名物の展望風呂があるというので、訪れてみました。今回は薬師館に宿泊したのですが、姉妹館ということでこちらの浴場も利用できるのです。薬師館で湯巡り手形を受け取り、さっそく行ってみると、薬師館からは徒歩で2〜3分ほどです。ロビーに入るととてもハイカラで優雅な雰囲気があります。ロビー左奥へと行くと大浴場がありますが、目指すのは展望露天風呂の「雲の助」です。こちらへはロビー奥にある扉から向かいます。ところが、この扉は単なる外への出入り口ではありません。なんと小さな登山鉄道の乗車口なのです。さっそく車両に乗り込み、ボタンを押すと発車ベルとともに動き始めます。数名でいっぱいの小さな車両ですが、ガタンゴトンと急な斜面を力強く登り始めます。すると正面からもう一台の車両が下りてくるではありませんか。線路は単線なので衝突してしまうのかと思いきや、交差する中央付近で複線になっているのでぶつかることはありません。けっこうスリリングな気分の味わえる演出です。1分半ほどで山頂駅に到着します。降りるとすぐに温泉の施設があるのですが、浴場だけではなくカフェなどもあるようで、けっこう洒落た雰囲気がありました。浴後にちょっと一服といった感じでくつろぐのもいいでしょう。脱衣所は棚にかごの並ぶ、とてもシンプルなスタイルです。浴場は石畳の内湯で、壁には洗い場、そして少しゆったりめの湯舟がありました。全体的にはとても小ぢんまりとしているので、入浴客が多いと手狭な印象は否めませんが、山小屋風のとても落ち着いた雰囲気がありました。内湯からはあまり外の景色が見えないようなので、さっそく外に出てみます。外に出るとそこには小さな露天泡風呂と小さな桶風呂がありました。どちらもかなり小規模のものです。泡風呂は「ぬるめ」と書かれていたのですが、「ぬるい」というよりも「冷たくない」程度のぬるま湯です。真冬の正月だったのでとても入ってはいられません。桶風呂はそこそこの温度があるので入りやすいです。展望露天風呂とはいいながらも、ずいぶんと肩透かしなものだなぁと思ったのですが、実はこの一段下がったところにもうひとつ湯舟がありました。こちらは大きな樽風呂です。大人が3〜4名はゆったりと入れるぐらいの大きさがあります。そしてここからの景色がとても開放的なのです。山の斜面にあるので、空はとても開けて正面には八ヶ岳や佐久平の山々がパノラマに広がります。なるほどこれはなかなかの絶景ですね。すごく大らかな気分にさせてくれます。脇には何故か木製のブランコもありました。真冬なのでさすがにこれに座る気分にはなれませんが、夏場なのは気持ちいいかもしれませんね。夕方に利用したのですが、刻々と辺りは薄暗くなり、眼下には街の明かりが煌めき始めました。暮れなずむ夕暮れ、そして夜景も見事なようです。湯は無色透明でさらさらと軽い湯で、あまり癖のない湯です。ちょっとぬるめ過ぎたので長湯してしまったのですが、おかげでけっこう体が温まりました。優雅に時を過ごしながら絶景でくつろぐ、そんな至福の時間を過ごさせていただきました。
掲載: 2020/06/14
Data
- 所在地:長野県小諸市菱平
- 源泉名:菱野温泉源泉
- 入浴 :2020年1月
- 泉質 :アルカリ性単純温泉(低張性、アルカリ性、低温泉)
- 泉温 :源泉25.1度
- 湧出量:毎分17.1リットル
- PH :8.7
- 蒸発残留物:0.384g/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :自律神経不安定症、不眠症、うつ状態など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 優雅度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 人気度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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