神奈川県
みやのしたおんせん・せいざんそう
宮ノ下温泉・晴山荘
旧箱根御用邸を移築した風情ある旅館
箱根温泉郷は古くから利用されている温泉地です。小田原から登っていくと、箱根湯本温泉、塔ノ沢温泉、太平台温泉、宮ノ下温泉と続いています。宮ノ下温泉は高級ホテルの富士屋ホテルがあることでも有名な場所です。熊野神社や箱根神社があり、そこから「宮ノ下」と呼ばれているようです。その宮ノ下温泉の一角にある「晴山荘」にお邪魔することにしました。場所は富士屋ホテルの上、国道１号線沿いにあります。ちょうど箱根神社のすぐ隣にありました。旧箱根御用邸の建物を払い下げて移築した旅館だそうですが、とてもリーズナブルな料金で宿泊できます。箱根神社下のバス停から階段を登るとすぐに宿の玄関となっていました。建物は歴史を感じるようなノスタルジックな雰囲気といえば聞こえがいいのですが、昔ながらの古い旅館というような印象がありました。それだけに形式張らずに落ち着いた雰囲気がありました。チェックインを済ませたところでさっそく浴場に向かいます。浴場は玄関正面にありました。手前に女湯、奥に男湯がありましたが、翌朝は男女が入れ替わるとのことでした。脱衣場はそれほど広くはありませんが、宿の規模からすれば十分なくらいでしょうか。この日は連休初日ということもあって満室とのこと。空いているうちに入浴を済ませておきたいと思います。幸いにもまだ誰も入っていませんでした。棚にカゴだけのシンプルな脱衣場で、扉を開けるとすぐに浴室です。浴室は思っていたよりも広く、そして明るい感じです。右側には大きな湯舟があり、左側に洗い場があります。洗い場は大きな鏡が横いっぱいに広がっていて、とてもワイドな感じがありました。湯舟は横に長く、奥の壁側にはゴツゴツとした岩があって、そこから湯が流れ注がれていました。また、その脇には湯水に蛇口があるのですが、配管が立体的にむき出しになっていて、その入り組んだ感じがスチームパンク風でとても味がありました。お湯は無色透明のさらりとした湯です。ツルツルとまではいかないまでも、軽やかな肌触りの湯です。意外と大人しい感じの湯なので、刺激が少なく入りやすい湯です。箱根温泉郷には硫黄などの刺激の強い湯も多いので、とても万人ウケする湯だと思います。静かに湯の流れる音を聴きながらのんびりと浸かることができました。ちなみに窓はありますが、すぐ壁になっているのでほぼ眺望は何もないと思っていいです。外の明かりが挿し込むぐらいと思っていていいでしょう。翌朝は男女が交替したところでもうひとつの浴場に入ってみました。こちらはさらに小さな浴場で、洗い場は２ヶ所ほど。湯舟も小ぢんまりとしています。しかしながら壁には陶器の竹のオブジェクトが埋め込まれ、竹林をイメージした風情ある感じです。小さな浴室ながらも快適に過ごせました。建物は全体的に年季を感じるものの、従業員の対応もよく、食事もおいしくて、穴場的な感じですがそれなりに人気のある宿のようです。たまの休日を素朴に過ごすのもいいでしょう。
掲載: 2020/06/19
Data
- 所在地:神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下
- 入浴 :２０２０年２月
- 泉質 :ナトリウム-塩化物泉(低張性、弱アルカリ性、高温泉)
- 泉温 :源泉66.0度
- ＰＨ :８．３
- 蒸発残留物:1230mg/kg
- 成分総計:1342mg/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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