群馬県
いかほおんせん・いかほぐらんどほてる
伊香保温泉・伊香保グランドホテル
名湯「黄金の湯」を静かに贅沢に楽しむ
榛名山の東麓にある伊香保温泉は古くから栄える群馬県を代表する温泉のひとつです。古くは万葉集にも登場するという歴史の長い湯で、戦国時代あたりにはすでに療養地として整備されていたとのことです。温泉街を貫く石段は伊香保温泉の名物になっていて、お土産屋や飲食店、宿泊施設などが並び、とても活気づいている温泉地です。伊香保グランドホテルは大型の観光ホテルです。2020年、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより日本も緊急事態宣言が出され、外出や行動が自粛されました。段階的に外出自粛は解除されたものの、県を跨ぐ移動が制限されていて、それが解除された日に訪れたのがこの伊香保温泉でした。さすがに大きなホテルだけあって利用客も多いです。緊急事態宣言が解除されたとはいえ、ずいぶんと客が多いなぁと思ったのですが、それはほぼ県内の方のようでした。自粛で落ち込んだ旅行業界を盛り上げるために県民や市民に補助金を出しているようでした。ようやく賑わいを取り戻したような感じで嬉しいですね。ホテルの浴場は一階の奥にありました。大型のホテルですが浴場はそんなに規模は大きくありません。脱衣場はゆったりというか、ガランとしたやや殺風景な感じです。簡易的な棚にかご、洗面台もゆったりとしています。浴室は内湯のみです。まだ明るい時間に浴場に入ったのですが、外は真っ暗です。どうやら窓ガラスに遮光のフィルムが貼ってあるようで、まるで夜間のような雰囲気となっていました。浴室の中央には団扇のような形をした大きな湯舟があり、脇に小さな湯舟があります。非常にシンプルな浴室です。洗い場は壁際に並び、壁にはタイルの壁画がありました。浴室は床も湯舟も御影石で、シンプルながらも雰囲気は悪くありません。さっそく体を流して湯舟に浸かりますが、中央の湯舟は薄い茶褐色のように見えます。透明度は20〜30センチぐらいでしょうか、底は見えません。どうやら源泉かけ流しのようで、湯舟からは溢れ出て床を流れています。床はもともとは赤い御影石だと思うのですが、湯が流れた跡が黒く変色しているようでした。伊香保の温泉といえば「黄金の湯」と呼ばれる名湯です。その名湯が惜しげもなく流れているのは、さすがだと感じます。湯はちょっと熱めですが、見た目によらずとてもあっさりとしているので、多少長く浸かっていても疲れないようです。なので静かにじっくりと浸かることができました。ちなみに伊香保グランドホテルは隣接して日帰り温泉施設の「黄金の湯館」というのがあり、宿泊者は無料で利用できるのですが、このときは閉鎖していたので利用ができませんでした。温泉を目的に訪れた方は、ちょっと残念な感じですが、それでもゆっくりとこの名湯に浸かれたので、とても癒されました。
掲載: 2020/10/20
Data
- 所在地:群馬県渋川市伊香保町伊香保
- 源泉名:総合湯(混合泉)
- 入浴 :2020年6月
- 泉質 :カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉
- 泉温 :源泉41.2度
- 湧出量:毎分4627リットル
- PH :6.4
- 成分総計:1.36g/kg
- 形態 :温泉観光ホテル 男女別
- 効能 :きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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