静岡県
いずさんおんせん・ほてるすいようてい
伊豆山温泉・ホテル水葉亭
海岸沿いの崖の上に建つ巨大な絶景ホテル
伊豆半島の付け根の東側、静岡県に入ってすぐ、熱海の少し手前にあるのが伊豆山温泉です。大行楽地の熱海に隣接しているので、とても影の薄い温泉地ですが、養老年間(717-724)に発見されたとか、それより前に役小角が発見したとか、とても古い歴史のある温泉のようです。そのせいなのか、修行の地としても知られ、海岸からまっすぐに急な階段の参道が続く伊豆山神社は、霊験あらたかな不思議な雰囲気が漂う神社です。その参道の海岸脇には、伊豆山温泉のシンボル的な存在の洞窟状の源泉「走り湯」があります。そして、走り湯から国道に向けて登る道路の先に、今回訪れた水葉亭があります。国道沿いにある大きなホテルなので、前々からずっと気になっていた存在です。新型コロナウイルスが世界的に流行。ようやく落ち着きを取り戻し、休業していたホテルも再開したとのことで、宿泊で訪れることにました。ホテルに辿り着くと、まずは検温、そして症状の確認を済ませてチェックイン。ホテルの対応もまだ手探り状態です。伊豆山温泉は万病に効くといわれているので、この湯に浸かればウイルスなんか退散するだろうと、さっそく浴場に向かいます。浴場は大浴場が男女ひとつずつ、そして露天風呂がひとつあります。露天はひとつなので午後が女湯、午前が男湯となるようです。なのでまずは大浴場に向かいました。浴室に入るとまずは洗い場が並んだスペースがあり、そしてその奥にサウナと円形の湯舟、その脇にゆっとりとした湯舟があります。これだけでも十分な浴室ですが、違和感を覚えるほどの空間がその先にありました。どうやら浴室は2フロア吹き抜けになっていて、階下にも湯舟が広がります。それがまた、長〜いスロープの先に湯舟があるという、ちょっと風変わりな浴室です。まずは上の湯舟から攻めていきます。円形の湯舟は中央に柱があって、窓側は遮光され細いスレッド状の窓があり、上からスポットライトで照らされています。妙に雰囲気のいい湯舟です。ほんのすこし黄色く感じる湯がありますが、浴感はとてもサラッとしていて非常にあっさりとした感触でした。脇にある湯舟は窓があり、とても明るくのびのびと浸かれます。脇にはサウナもあるし、本当にこれだけでも楽しめる浴室ですが、やはり気になるのは下の湯舟です。どうしてショートカットした階段を作らないのか不思議に感じるほど長いスロープを抜け、下の空間に行くと、内側に少し小さめの湯舟、そして海側に大きな湯舟がありました。こちらは上の湯舟と同じ湯なのでしょうが、若干濃い色のようにも見えます。そしてお湯の質もさることながら、この開放的な雰囲気は格別です。ホテルは海沿いの崖の上に建っているので、開放的なガラス窓の外は海が広がります。生憎の曇り空でしたが、太平洋はとても大きく、その雄大さを感じられる大きなガラスがとても印象的です。真下には漁港、そして熱海ビーチラインが走っているので、窓際で立つとおらそく下からは丸見えでしょう。なので、「ガラスに近づくと道路から見えます」と書かれていました。それくらい開放的な雰囲気で、とても気に入りました。翌朝は露天風呂へと行ってみました。こちらは大浴場とはだいぶ離れた場所にあります。ホテルの中庭を抜けた崖っぷちに湯舟がありました。これまた小ぢんまりとはしているものの、すごく雰囲気のいい露天です。岩風呂になっているのですが、本当に崖っぷちなので、とにかく見晴らしがいいです。梅雨時期なので天候はそんなに良くありませんでしたが、それでも気分よく優雅に露天が楽しめました。また機会があれば是非訪れたい、そんな贅沢な宿でした。
掲載: 2020/10/29
Data
- 所在地:静岡県熱海市伊豆山
- 源泉名:(1)伊豆山温泉 伊豆山1号、78号、(2)伊豆山温泉 伊豆山43号
- 入浴 :2020年7月
- 泉質 :(1)カルシウム・ナトリウム-塩化物温泉
(2)カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉 - 泉温 :(1)源泉66.1度、(2)源泉69.0度
- PH :(1)7.9、(2)8.1
- 成分総計:(1)9.727g/kg、(2)1.657g/kg
- 形態 :観光ホテル 男女別
- 効能 :きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 優雅度:☆☆☆
- 人気度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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