群馬県
かざわおんせん・きゅうかむらつまごいかざわ
鹿沢温泉・休暇村嬬恋鹿沢
かつての湯治場「雲井の湯」に癒される
群馬県の西部、長野県との県境近くに鹿沢温泉があります。湯の丸スキー場へと向かう県道沿いにある温泉ですが、山の奥の方と手前側と二か所にあり、奥が鹿沢温泉(旧鹿沢温泉)で、山の下の方にるのが新鹿沢温泉です。鹿沢温泉には紅葉館という旅館が一軒と、少し下側に休暇村嬬恋鹿沢があります。今回は夏休みを利用して休暇村に宿泊で訪れてみました。以前、この休暇村には立ち寄りで入浴しようとしたことがありましたが、利用時間を過ぎてしまっていて諦めたことがあました。今回は宿泊なのでじっくりと温泉を楽しみたいと思います。休暇村はけっこう規模も大きく、建物もゆったりとした感じです。また、休暇村の正面にはキャンプ場が広がっていて、とても沢山のキャンパーで賑わっていました。常設テントや電源、水道などが完備されていて、とても使い勝手のいいキャンプ場のようです。宿にチェックインを済ませたところで、すぐさま浴場に向かいます。浴場は館内右手廊下の先にありました。キャンパーは19時から21時まで利用するそうなので、その時間帯は混雑すると説明がありました。夕方は日帰り入浴も終わっているので、まずはゆっくりと浸かることにします。内湯は横に広くて、内壁際に洗い場がずらっと並んでいます。湯舟は窓際にありますが、大小二つに区切られていました。小さい方に源泉が注がれていて、大きい方に流れています。大きい方も別に湯の注ぎ口は用意されていました。湯は大きい方はほとんど無色透明で、小さい方がほんの少し濁っているような気がします。見た目の印象は薄いので、あまり期待しないで浸かってみます。けっこうしっとり系の湯で、やや重みを感じますが、特筆するような特徴があるわけでもありません。あまりにも透明なので循環濾過されているのかと思うのですが、ふと気が付くと湯舟の縁に違和感があります。よく見るとベージュ色をした堆積物で御影石がコーティングされていました。ところどころ剥がれたところを見てみると、元は赤い御影石のようでした。1ミリぐらいの厚さでカルシウム分のようなものが堆積しているようです。見た目の印象とは裏腹にとても濃厚な湯のようです。小さい方の湯舟は少し温度が低いようで、じっくりと浸かることができます。こちらの方が源泉に近いのでしょう、湯がとても滑らかに感じます。それから脇の柱には鹿沢温泉についての説明が書かれていました。これによるとかつて鹿沢温泉はとても賑わっていたそうです。今は一軒宿ですが、公衆浴場が5軒もあり、旅館もいっぱいあったようです。それが大正7年の火事で焼失しほとんどが新鹿沢温泉に移転してしまったようです。休暇村の源泉はその公衆浴場のひとつ「雲井の湯」から引いているのだそうです。そんな歴史があったのですね、知りませんでした。続いて外の露天風呂へと出てみます。露天は広い中庭があるのですが、その手前にポツンと小さめの湯舟がひとつありました。こちらも内湯の小さい方の湯舟と同じように少し濁りのある湯ですが、内湯よりも若干消毒臭が強めに感じました。庭は砂利の敷かれた広間で、解放感があります。その先は塀と木々が茂っているので、見晴らしはありません。でも、雰囲気はなかなか悪くありませんね。そんなこんなで地味にいい湯で、肌がしっとりとして非常に気持ちがよかったです。避暑地としてもとてもいい場所なので、また遊びに来たいと思いました。
掲載: 2020/12/13
Data
- 所在地:群馬県吾妻郡嬬恋村鹿沢温泉
- 源泉名:雲井の湯
- 入浴 :2020年8月
- 泉質 :マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩温泉(低張性中性高温泉)
- 泉温 :源泉48.0度
- PH :6.7
- 蒸発残留物:0.88g/kg
- 成分総計:1.58g/kg
- 形態 :温泉宿泊施設 男女別
- 効能 :きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
温泉レポートを検索