長野県
すずりかわおんせん・すずりかわほてる
硯川温泉・硯川ホテル
見た目の印象と違い、滑らかで優しく包み込む湯
志賀高原、横手スキー場の手前にある硯川ホテルに行ってきました。九月半ばだというのにしつこく残暑が続いていて、避暑を求めてやってきました。標高は1700メートルというだけあって、本当に涼しいです。いや、涼しいというよりも寒いくらいです。けっこう急な坂道をずっと上ってきているので、平坦な景色は広がっていますが高所だというのも実感ありますね。硯川ホテルは国道沿いにある大きな三角屋根の建物で、場所はとてもわかりやすいです。この宿にした決め手はなんといっても温泉。滑らかな濁り湯が味わえるというので、とても楽しみやってきました。チェックインを済ませたところでさっそく浴場に向かいます。浴場はエレベータで地下一階に下りたところにありました。地下といっても山の斜面に建つホテルなので、一応、地上階です。館内はやや古びた雰囲気があり、まさにスキー合宿などの印象そのまんまでした。ちょっと垢ぬけないというか、地味で冷たい感じが古臭く感じるのかもしれません。脱衣場はわりとゆったりとしています。ちょっと薄暗く、窓もないのでやや陰湿な印象はありますが、清潔感に難があるわけでもなく特に問題があるわけではありません。浴室に入るとまずは内湯があります。こちらもゆったりと広めで、内壁側に洗い場が並びます。中央正面に大きな湯舟があり、その先に窓もあり外の明かりもさしこんでいました。洗い場はカランが並びますが、金属部分が真っ黒に変色していて、すごい光景です。温泉の泉質の影響なのでしょう。硫黄泉の温泉地でよく見かけますね。カランのシャワーはちょっと年季も入ってきているので、水量がちょっと弱かったり、温度調節が難しいものもあったりしていました。体を流したところで湯舟に浸かります。湯舟は左右大きく二つに区切られています。区切られているといっても、湯面よりも低い位置に仕切りがあるので、湯に違いはあまり感じられません。若干、広い方がぬるいのかなという程度です。湯は青白く白濁していて、透明度は25センチくらいですかね。けっこう濃厚な印象があります。また、いかにもすっぱそうな酸性泉の匂いも感じます。ところが浸かってみると、あまり刺激が強くありません。強くないどころかとても滑らかいうかマロヤカに感じます。ちょっと意外な印象の湯です。湯舟へはジャンジャンと新しい湯が注がれています。飲用には適さないと書かれていますが、ちょっと味見をしてみます。するといかにもすっぱそうに感じていたのに、ちっともすっぱくありません。こちらもかなりマイルドです。なるほどこれは体に刺激も少なそうですね。湯はすごくきれいなのかと思いきや、けっこう繊維状の湯の華がたくさん舞っています。それも白っぽいものや黒っぽいものなど、やや汚らしくみえますが、温泉好きにはこれが魅了されるポイントでもあったりします。続いて外の露天風呂にも出てみました。こちらは後から増設してつくられたのか、無理やり感の否めない小規模のものです。すぐ裏は道路というか外なので、周囲を高い壁で囲っているので、露天といえども少し閉塞感がありました。でも、外気を味わえるだけでもまた違った印象になり、とてもいい感じです。温度もこちらの方が少しぬるめで、過ごしやすさもあります。規模が小さいので混雑するとキツイかもしれませんが、混雑しなければまったりと過ごせていいのではないでしょうか。とにかくこの滑らかな湯の質はたまらないです。見た目の印象と違ったギャップのある湯という感じでしょうか。ちょっとアクセスは大変ですが、アウトドアの拠点としてじっくりと過ごしたい宿ですね。
掲載: 2020/12/31
Data
- 所在地:長野県下高井郡山ノ内町志賀高原硯川温泉
- 源泉名:志賀高原
- 入浴 :2020年9月
- 泉質 :含硫黄-カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩温泉
- 泉温 :源泉62.5度
- PH :6.4
- 蒸発残留物:1.220g/kg
- 成分総計:1.346g/kg
- 形態 :高原リゾートホテル 男女別
- 効能 :きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 鄙び度:☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 湯治度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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