鹿児島県
ひなたやまおんせん・ひなたやまおんせんせんたー
日当山温泉・日当山温泉センター
神々しいほどのインパクトのある熊襲風呂
日本列島が寒波に襲われるというので、少しでも暖かい方へと逃げるべく、鹿児島にやってきました。しかし、鹿児島空港に到着したものの、ちっとも暖かくはありません。そんなわけで温泉に入ることにしました。向かったのは、空港のちょっと下にある日当山温泉です。路線バスで10分ほどで到着します。バス停で降りてから徒歩でしばらく行くとお目当ての「日当山温泉センター」です。住宅地に入ったようなところにありました。ネーミングから想像すると、健康ランドのような場所なのかなと思っていたのですが、思っていたよりもずいぶんと閑静な場所に隠れるようにしてあります。看板によるとすごく格安で宿泊もでき、立ち寄り入浴も可能なようです。外観的には鉄筋の寂れた古い研修所のような旅館です。古いといってもボロいのではなく、古めかしいという意味です。館内に入るとどこからか主人のような方が出てきました。料金を払うと丁寧に浴室まで案内してくれました。浴室はドアではなくカーテンとうか暖簾で入り口が覆われていました。脱衣場は大きな棚にカゴ、スペースもゆったりとしていて非常にシンプルです。てっきり誰もいないのかと思いきや、先客が1名いたようです。比較的若い方でしたが、こちらが入るとと同時に出て行ってしまったので、貸し切り状態です。浴場に入るとまず目に飛び込んでくるのが、巨大な岩です。大きな岩が男女を仕切る壁側に並んでいて、すごく荒々しくてワイルドです。いや、荒々しいというよりは神々しいというくらいでしょうか。床は小さな石タイルで全体が昭和のような懐かしい雰囲気がありつつも、巨石がとてもインパクトを与えています。湯はほぼ無色透明で、光の加減なのかほんのり緑色っぽくも見える気がします。奥の岩の陰のパイプからドバドバと新鮮な湯が注がれて、そのまま湯舟から大量にあふれ出て床を流れています。なんと贅沢な掛け流しなのでしょう。さっそく湯をかぶりますが、熱くもなくぬるくもなくちょうどいい湯加減です。それと同時にツルツルとした浴感がありました。湯を浴びるだけでもこの感触です。そして湯に浸かると、これはもう全身を後ろから羽交い絞めにされているのかというくらい、ツルツルとした浴感が全身を覆いつくします。これがヌルっとするような重いものではなく、ツルッとした軽い感触なので非常に気持ちがいいです。お湯はかなりの投入量なのでちょっと味見をしてみます。何でしょう?しっかりとした温泉の味です。何に例えたらいいのでしょうか、個性的なミネラルが自己主張してくる感じだけど、はっきりとしない。どこかで味わったような懐かしいような味。モール泉を薄くするとこんな感じになるのかな。気に障るような味ではないので、ごくごくと美味しく飲めます。飲泉可能と書かれていたわけではないので、あまり飲まないように気を付けます。それにしても静かです。ドバドバと大量の湯が落ちる音が響くのですが、雰囲気というか佇まいがとても静かなのです。浴室の奥には何やら説明の書かれた板があります。熊襲風呂と書かれているのですが、かつてこの地を支配していた熊襲を偲んでいるようです。そう思うとまた情緒がにじみ出てきます。それにしてもいくら浸かっていても全体のツルツル感がなくなりません。石鹸が用意されいたので、全身を洗いますが、石鹸なんていらないくらいツルツルが楽しめます。ペーハーは8ぐらいあるようです。また、熱くないと感じていた湯ですが、やたらと汗がでます。また、すごく体も熱く火照ってきました。どうやらそうとう温熱効果もあるみたいです。いいですね。この雰囲気といい、この湯といい、とにかく一発で気に入ってしまいました。とにかく穴場的な雰囲気があったので、是非ともここはおススメの温泉ですので、近くに来たなら是非とも立ち寄ってほしいです。
掲載: 2021/02/23
Data
- 所在地:鹿児島県霧島市隼人町内
- 源泉名:日当山 21号
- 入浴 :2021年1月
- 泉質 :炭酸水素塩温泉(ナトリウム-炭酸水素塩温泉)
(低張性、弱アルカリ性、高温泉) - 泉温 :源泉48.8度
- PH :8.0
- 蒸発残留物:0.655g/kg
- ラドン含有量:2.41(百億分の一キューリー単位)
- 形態 :温泉センター 男女別
- 効能 :きりきず、やけど、慢性皮膚病など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 穴場度:☆☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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