大分県
じんきちのゆ
甚吉の湯
マンションの一角? 隠れた名湯、ツルツルの湯
大分はさりげない温泉が沢山ある地域。そのさりげない温泉に入ろうと大分市今津留にある甚吉の湯に行ってきました。大分川の近く、国道197号線からちょっと入った住宅街の中にありますが、ちょっとわかりづらいです。近くまで来てもどこに温泉があるのかわからなかったのですが、施設の目の前に来てそこに温泉があることに気がつきました。というのも、見た目には普通のマンションなのです。その1階に浴場があるようです。さっそく館内に入るとそのエントランスの奥にがっちりとした千両箱がおいております。壁には甚吉の湯の由来が書かれていていますが、周囲を見渡しても温泉らしさはありません。その千両箱には「入湯料」と書かれています。この施設は無人のようで利用者が料金をこの箱に入れて利用するようです。しかも料金箱の前にはカメラが設置されています。料金をトレーに並べてカメラに映してから投入するように書かれていました。誤魔化されないようにするためのアイデアですね。浴室はさらに奥に行ったところにあるようです。大浴場と小浴場があるようで、定期的に男女が入れ替わるようです。今回は大浴場が男湯となっていました。浴室と書かれたところを入っていきますが、妙にガランとして殺風景です。マンションの一室という感じはするのですが、生活感がないというか、壁は無地で何も置かれていないので寂しさがあります。とても新しい施設なのでしょうか、とにかく綺麗で清潔感はばっちりでした。脱衣所も同様にガランと無駄に広いです。それでいて端に小さく簡易的なパイプ棚がちょこんとあるだけ。ん?ここで着替えていいのかな?と躊躇するような雰囲気でした。せめて椅子かベンチが欲しかったです。浴室はすごく小ぢんまりとしています。これで大浴場ということは小さい方はどんな感じなのだろうと心配になるくらいでした。浴室は入ったところにシャワーがあり、奥に洗い場が3基。間隔はとても狭いです。そしてちょっと大きめの湯舟がひとつだけです。一見すると何の変哲もない浴室に感じますが、浴室に入った瞬間に感じるのがプンッと香る軽いモール臭です。牧草地にいるかのような軽やかな香りはとても好きですねぇ。湯は透明感のある綺麗で薄い若草色をしています。さっそく体を流して湯舟に浸かると、ツルツル、さらさらとした浴感が全身を包み込みます。温度は少し高めの44度くらいでしたが、この感触がとても心地よくてすごく入りやすいです。浴室はしっかりと換気されているので、ちょっと肌寒いくらいに感じましたが、湯が熱いのでちょうどいい具合です。湯舟の中はタイルの目地などがなくツルツルと滑らかな表面です。側面も平らなのですが、ペンキが剥がれたような屑が底に落ちていました。よく見ると側面から剥がれたようです。しかしそれはペンキではなく温泉のカルシウム分でしょうか、成分による堆積が剥がれたようなもののようです。けっこう濃厚な湯のようですね。この濃厚な湯が惜しみもなく溢れ出ているので、すごく贅沢な気分で湯舟を楽しめました。ちなみに全体的に殺風景な浴室ですが、湯舟の脇にはライオンの頭とふくよかな体型の石像が置かれていました。ワンポイントですが、しっかりと温泉情緒を盛り上げてくれているように感じました。それにしても静かです。なかなか一見さんは入りづらい雰囲気ではあるものの、地元民専用ではなくガイドブックなどにも載っている施設なので、ちょっと穴場的な雰囲気にグッときてしまいました。泉質も好みの湯だったので、ここはおススメです。
掲載: 2021/07/07
Data
- 所在地:大分県大分市今津留
- 入浴 :2021年1月
- 泉質 :塩化物泉
- 泉温 :源泉45.6度
- 掘削深度:700メートル
- PH :8.5
- 電気伝導率:398mS/m
- 蒸発残留物:2.320g/kg
- ラドン含有量:2.0×10-10Ci/kg
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 地元度:☆☆☆☆
- 穴場度:☆☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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