鹿児島県
いちひのおんせん・しまづのとのまさゆ
市比野温泉・島津の殿様湯
ドライブに疲れたらゆっくり足休め
市比野温泉に向かう際、道の駅樋脇に立ち寄ったのですが、その駐車場の奥に長いベンチのようなものがあるのに気が付きました。もしやと思い近づいていくと、そこには大きな足湯がありました。「島津の殿様湯」と書かれていて、大きな屋根もついた立派なものです。ここも市比野温泉の一角ということで、その温泉が引かれているようです。足湯の横には温泉に関する説明の案内板もあり、それによると藩主の島津公が入浴した際、とても気に入られたという伝承もあり、300年の歴史のある名湯なのだそうです。この足湯のネーミングはそこから来ているようですね。このとき、道の駅そのものは奥の駐車場まで満車になるほど混雑していたのですが、足湯にはほとんど人がいませんでした。足湯には興味がないのか、それともこの湯の存在に気付いていないのか、どちらにせよゆったりと足湯を楽しめそうなのでラッキーでした。足湯はとても大きくて横に10メートルぐらいはあるでしょうか、コンクリート製の湯舟で、座面がぐるりと取り囲んでいます。屋根も全体をしっかりと覆っているので、炎天下でも多少の雨天でも快適に過ごせそうです。また、湯舟のその外側には木製のベンチもあります。湯は片側に注ぎ口があり、上流は熱め、下流はぬるめとなっているようです。しかしながら全体的にそんなに温度は高くなく、ゆっくりと浸かっていられます。湯はとてもクリアで透明な湯で、つるんとした柔らかな浴感が足先だけでもしっかりと実感できます。こんなにツルツルの湯を体験してしまったら、全身浴をしたくなってしまいますね。足湯のすぐ外側には巨石がずらっと並んでいます。石の間に細い通路みたいなものがありますが、何なのでしょう? 水が流れるような感じにもなっていたので、せせらぎを楽しみながら足湯に浸かれるということでしょうか? また、その巨石の一番下側には「梵字」が刻まれた石がありました。これは摩崖仏だと説明がありました。摩崖仏というと、石に仏様が彫られているものというイメージがありましたが、梵字だけでも摩崖仏と呼ぶのだそうです。この周辺にはいくつか摩崖仏があり、歴史的に価値のあるものだそうです。また、脇には温泉の汲み取り場もありました。ここで温泉を汲んで、自宅で温泉を楽しむこともできそうです。道の駅というとてもアクセスのいい場所にあるので、ドライブの途中にでも立ち寄った際には、ここでゆっくり一休みするのもいいでしょう。
掲載: 2021/09/03
Data
- 所在地:鹿児島県薩摩川内市樋脇町市比野
- 源泉名:市比野温泉
- 入浴 :2021年2月
- 泉質 :アルカリ性単純温泉
- 泉温 :源泉48.9度
- PH :10.0
- 蒸発残留物:0.1655g/kg
- ラドン含有量:0.4(百億分の一キュリー単位)
- 形態 :足湯 混浴
- 効能 :切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病など
- 脱衣所:なし
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆☆☆
- 異色度:☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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