大分県
まほろばおんせん・うさ
まほろば温泉・菟狭
神がもたらした至福の湯
大分県宇佐市にある「まほろば温泉 菟狭」にやってきました。宇佐市といえば宇佐神社が有名です。全国にある八幡宮の総本宮で、観光客や参拝客で人気の高いスポットです。また、かつて3世紀から6世紀にかけての前方後円墳が数多く残る「宇佐風土記の丘」などの史跡も見どころのひとつです。その「宇佐風土記の丘」のすぐ脇に温泉施設がありました。公園のすぐ目の前にあるので、行楽のついでにも便利な場所にあります。外観はそんなに大きい施設でもないようですが、温泉にはかなりこだわりを持っているような気配がありました。まず脇に温泉の給水所があるのですが、「飲んでも良し、味もこんなに美味しくなります。」と書かれていて、調理に使うと料理の味も変わるようです。これは気になる温泉ですね。館内に入るとちょっとしたロビーがあり、受付があります。館内には男女別の大浴場と、家族湯があるようです。脱衣場に入ると、半分は棚にカゴ、半分はスチールロッカーになっていて、やはり規模はそんなに大きくはありませんが、わりとゆったりとした雰囲気がありました。浴室はまず内湯がありますが、正面には大きな湯舟、脇に洗い場が並び、手前側にはサウナと水風呂がありました。わりとシンプルな配置ですが、機能的に十分な印象です。そして気になるのが床の色です。床は黒っぽい色の石畳になっているのですが、湯舟の周囲だけ色が赤茶色に変色しています。温泉の成分が非常に濃いようです。さっそく体を流して湯舟に浸かりますが、湯舟の湯はヒスイのようなくすんだ色をしていて底がギリギリ見えるぐらいの濁り具合です。けっこうぬる目の温度になっていて、これはじっくりと浸かれそうです。しっとりとはしながらも、意外と滑らかな湯という印象です。角にある湯口からトロトロと熱めの湯が注がれていますが、この湯口の周辺はもはや原型がよくわからないくらいに温泉の堆積物でコーティングされてしまっています。また、湯舟の縁の部分は、鍾乳石のようにゴツゴツと堆積物が重なり、けっして古くない施設ですが、長い年月を経ているように錯覚するくらい、不思議な光景となっていました。あと、サウナを利用する方がけっこう多いのですが、皆さん、扉を開けては閉めてを繰り返しています。どうやらサウナがとても狭いらしく、すぐにいっぱいになってしまうようで、入ろうと扉を開けるも、中はいっぱいなので諦めたということを繰り返しているようです。外には露天風呂もあるようです。露天の出入り口には「露天風呂は4月から」と書かれています。どうやら冬季閉鎖のようです。豪雪地帯や寒冷地でも山間部でもないのに、冬季閉鎖とは珍しいですね。ちょうど4月上旬だったので、露天を楽しむことができるようです。露天は岩風呂になっていて、周囲には笹が生えています。さっそく湯舟に入ってみると、これがまたずいぶんとぬる目になっています。水風呂とまではいきませんが、体温より少し高い程度でしょうか。なるほどこの温度なら冬場はきついですね。夏場はむしろ気持ちいいのではないでしょうか。温度が低めだと、じっくりまったりと浸かることができるので、ついつい長湯になってしまいます。源泉がとても濃いので湯あたりに注意は必要ですが、やはり気持ちのいいものです。ちなみに注がれる湯はかなり鉄分を多く含むようで、味見をしてみると、金属的な味がします。金属的な味の湯の場合、浴後に肌がカサカサになるタイプのものが多いのですが、ここの湯はわりとしっとりとして、カサつきはあまり気になりませんでした。非常に個性的でインパクトはありながらも、とても体に優しい湯という印象を受けました。
掲載: 2021/10/15
Data
- 所在地:大分県宇佐市川部
- 源泉名:うさ温泉
- 入浴 :2021年4月
- 泉質 :ナトリウム-炭酸水素塩泉
- 泉温 :源泉42.6度
- 湧出量:毎分113リットル
- 掘削深度:600メートル
- PH :6.9
- 蒸発残留物:1.950g/kg
- 形態 :日帰り温泉施設 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆☆
- 地元度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆
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