長崎県
おばまおんせん・うぐいすやりょかん
小浜温泉・うぐいすや旅館
地味なのに優しく包み込む湯に惚れ惚れ
長崎県の東部に突き出た島原半島は、その中心に活火山の雲仙普賢岳があります。活火山があるということは、メリットも多く、火山活動による自然からの恩恵もいただけるようです。その最たるものが温泉です。今回は島原半島の西側にある小浜温泉に行ってきました。小浜温泉といえばその熱量は日本一と言われているところです。それを証明するかのように街中いたるところから豪快に噴煙が出ていて、温泉地であることが実感できます。今回は「うぐいすや旅館」に宿泊で訪れてみました。海岸を走る国道と雲仙に向かう国道がぶつかる角にある温泉宿です。今回は予算を低く抑えるために、格安だったこの宿に決めたのでした。とても安い料金で利用できたので、もっと小ぢんまりとした宿なのかと思いきや、けっこう大きな鉄筋の建物です。それなりに老朽化はしているように感じますが、値段を考えれば納得の範囲です。チェックインを済ませて部屋に通されると、いかにも昭和の時代を彷彿させるレトロ感がありますが、素晴らしいのはその景色です。海側の部屋なのですが、目の前に雄大な橘湾が一望でき、しかも西側に向いているので西日がキラキラと輝いています。これは夕日が目の前に沈むパターンです。なんと素晴らしい景色なんでしょう。景色に感動したところでさっそく浴場へと向かいました。浴場は1階にあります。脱衣場は棚にカゴ、そして洗面台。やや古臭い匂いがあり、レトロ感がありますが不潔には感じません。いたってオーソドックスな感じです。そして浴室に入ると、こちらは横に広い内湯がありました。内壁側に洗い場が並び、外側に大きな湯舟があります。湯舟はとても多くて、横幅いっぱいに広がっています。思わず泳ぎたくなるようなゆったり感があります。外側は半分がステンドガラス風の窓で、半分は奥に小さな露天風呂のスペースがありました。体を流してさっぱりとしたところで湯舟に入りますが、湯は意外と熱くありませんでした。小浜温泉はめちゃくちゃ源泉が熱いので、ちょっと覚悟していたのですが、しっかりと温度管理してくれているようでした。それでも壁には「あつい」「ぬるい」と、書かれています。湯舟はひとつですが、左側はぬるく、右側が熱いようです。源泉の投入口に近い方が熱いということですね。湯は無色透明の綺麗でクリアな感じです。一見すると何の変哲もない湯のように感じますが、すごく優しいです。浸かっていると微妙にツルリと滑らかな感触があるのは納得ですが、何でしょうこの安らぎ感は。浸かっていると肌にジワジワとしみ込んでいくような、全身を優しく包み込むような湯なのです。やばい、これは好きなタイプの湯。第一印象は本当になんてことのないような湯なのですが、とにかく優しいのです。源泉はドバドバと掛け流され、お湯ととても新鮮なようです。味覚もほんのりとマイルドに塩味を感じますが、しょっぱいのではなく甘く感じるくらいの塩加減です。いやはや、このマイルドなお湯はとても気に入りました。奥にある露天風呂は、ポンプの故障でしょうか、残念ながらお湯は張られていませんでした。1階にあるのですぐ外は道路です。立ち上がると信号機が見えるほどの喧噪感があるのですが、雰囲気はとても良さそうだっだので残念です。ちなみに建物の5階には貸切の露天風呂もあるようです。今回は利用しませんでしたが、客室から眺めたあの雄大な景色が露天からも見えるようです。これはとても気になります。とにかくリーズナブルに利用できたのに、温泉はとても素直に気持ちいいし、従業員はとても丁寧で好印象だし、非常に満足度の高い宿でした。
掲載: 2021/11/21
Data
- 所在地:長崎県雲仙市小浜町北本町
- 入浴 :2021年4月
- 泉質 :ナトリウム-塩化物温泉(等張性弱アルカリ性高温泉)
- 泉温 :源泉100.4度
- PH :8.2
- ラドン含有量:2.08×10-10Ci/kg
- 総成分量:8.647g/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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