和歌山県
えびねおんせん
えびね温泉
日置川を見下ろす雄大な眺め
白浜町の中心地からクルマで40分ほど、日置川沿いにある「えびね温泉」に行ってきました。日置川の河口から遡るように向かったのですが、河口からでも15分くらいかかりました。国道を離れると急に細い道になり、しかも谷沿いのクネクネとした道を進んでいくので、そんなに内陸ではないものの、ものすごい山の奥へと来てしまったかのような印象を受けるところにありました。道路脇に「この下」と書かれていて、急な坂道を下っていくと駐車場がありました。けっこう客が多いように見えましたが、ほとんどの方は温泉を汲んでいる方なのでしょうか、温泉施設の方は客が少ないようです。信楽焼のたぬきがお出迎えしていて、なんとも風情ある佇まいです。入口を入ると、トイレがいくつか並んでいて、その先に受付がありました。浴場にはトイレがないので、先に済ませておくようにとのことです。受付をすますと、そこから細い廊下を進みますが、手前側が男湯、そのまままっすぐ進むと女湯があるようです。こんな山奥の辺鄙な雰囲気の場所ですが、けっこう立派なというか、しっかりとした施設のように感じました。脱衣所は木造ロッカーが並びます。ロッカーには番号は振られてなく、鍵についているリストバンドの色が異なっていて、同じ色のリストバンドがロッカーにもついています。これはなかなかユニークですね。そしてさっそく浴室に入ります。入った途端にまずムッとした熱気があり、正面には多角形の湯舟が中央にドンと構え、川側はガラス窓、山側が洗い場となっていました。小ぢんまりとした規模の小さな浴室ですが、窓が大きくて明るいので、ゆったりとした印象がありました。そしてまずは体を流そうと洗い場に行きますが、シャワーを流すとプンッと玉子スープのような匂いがします。この軽やかな硫化水素臭は硫黄泉によく見られる特融のものです。カランやシャワーの湯までも源泉が利用されていることに驚きました。お湯は無色透明の綺麗な湯ですが、しっかりと温泉臭が漂い、そしてツルツルとした浴感までもありました。では、さっそく湯舟に浸かってみます。こちらも源泉かけ流しの新鮮な湯が使われているようで、無色透明の透き通った綺麗な湯です。浸かってみると、そんなに熱くなくちょうどいい温度です。そしてすぐに全身をツルツルとした柔らかな浴感で包み込まれていきます。これは思わず溜息がもれるくらい気持ちのいいものでした。そして目の前のガラス窓からは川と対岸が眺められます。山の中にあるので、対岸も緑いっぱいの木々で覆われています。それなのに川幅はけっこうあり、広い河原が広がり、とても雄大な景色です。この景色を眺めながらの入浴は、非常にまったりとさせてくれます。湯舟はひとつだけ、しかも内湯のみですが、そんなことが気にならないくらい開放的で優雅な浴室でした。天井は中央に丸く窓があり、そこから放射線状に屋根がのびています。湯舟も天井も13角形のようでした。この独特な雰囲気もとてもユニークです。とても個性的な浴室ですが、ひとつ気になったのは窓が開かないことです。外側の窓はどれも固定になっていて、上層階でもないのに開かないというのは珍しいですね。換気用のパイプが外から伸びていて、そこから冷たい空気が注がれていましたが、浴室全体としては熱気に包まれています。蒸しているので少し息苦しさを感じましたが、そんなに長湯しないのであれば問題ないでしょう。いっぱい汗もかいて、浴後はとてもさっぱりとした感じで、肌もツルツルだし、非常に満足の温泉でした。
掲載: 2022/01/20
Data
- 所在地:和歌山県西牟婁郡白浜町向平
- 源泉名:えびね温泉格
- 入浴 :2021年7月
- 泉質 :アルカリ性単純硫黄温泉(低張性アルカリ性温泉)
- 泉温 :源泉37.2度
- 湧出量:毎分190リットル
- PH :9.5
- 密度 :0.9984g/cm3
- 蒸発残留物:0.176g/kg
- 形態 :日帰り温泉施設 男女別
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 地元度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
温泉レポートを検索