北海道
こじょうはまおんせん・あよろおんせん
虎杖浜温泉・アヨロ温泉
アイヌの古い地名を名乗る隠れた名湯
北海道を代表する温泉地のひとつ登別温泉。そこから少し下り海岸に出ると、そこには虎杖浜温泉という温泉地があります。登別温泉の陰になってしまって、いまいち知名度の低い温泉地ですが、けっこうしっかりとした温泉地です。その虎杖浜温泉にあるアヨロ温泉という温泉施設を訪れてみました。温泉地といっても静かな集落です。水産業が盛んなのでしょう、海産物を扱うお店がいくつもあります。その海岸沿いにアヨロ温泉がありました。こちらは小ぢんまりとした地味な雰囲気の温泉施設ですが、食事処を併設するなど、それなりに設備の充実した温泉施設のようです。館内に入ると正面にフロントがあり、左側には食事処、右奥に浴場があるようです。入浴券を購入して受付をして浴場に向かいます。脱衣所を抜け浴室に入ると、意外とシンプルでオーソドックスなスタイルの浴場です。左側には洗い場のエリアがあり、右側に湯舟があります。洗い場はシャワーとカランがある普通のスタイルなのですが、かかり湯なのでしょうか、背後に細長い湯の張った槽があります。出入口脇にかかり湯として専用の設備が設けられているのですが、その脇に細長い湯の張られたところがあるのです。他の客の動向を見ているとやはりそこから手桶で湯を汲んで体に浴びています。なので、かかり湯としてあるのでしょう。さらに、それが手前側と洗い場の奥側の二箇所にあったので、慣れていないとルールがよくわからない感じで戸惑います。ちなみに洗い場にはボディソープや石鹸類は用意されていないので、各自で持ち寄る銭湯スタイルのようです。湯舟は寝湯やバブルバスなどいくつかに区切られています。高温や中温など温度の違いもあるようです。温泉は若干の色がついていました。山吹色を薄くしたような感じでしょうか、ちょっと黄色がかった色です。浸かるとツルッとした軽やかな感触のある湯でした。なかなか個性的で特徴的な湯のようです。とても感触がいいのでさすが虎杖浜の温泉ですね。外には小さいながらも露天風呂もあります。露天は海岸を眺めるようにして設置されていますが、湯舟に浸かってしまうと何もみえません。テラスのようになっていて外側にチェアが用意されていて、涼みながら景色を眺めることができます。景色とはいっても道路をはさんで遠目に海岸が見える感じです。この日は生憎霧雨となっていて、ほとんど濃霧状態です。海岸の波は見えるものの水平線は見えなくて残念でした。ロケーションから推測するに、通常ならば雄大な海の景色が見えるのではないでしょうか。それでもやはり外気を浴びながらの入浴はとても気持ちがいいです。素朴な温泉施設ながらもこの温泉の魅力的な部分が垣間見れました。ちなみにアヨロとはこの地の古い地名のようです。アイは弓矢、オロオは群在する。コタンは部落という意味で、アイオロオコタンが略されてアヨロとなったようです。非常に素朴な施設ながらも、アイヌの歴史を語る名称を感じ、個性的な温泉を楽しめるいい温泉施設でした。
掲載: 2022/03/09
Data
- 所在地:北海道白老郡白老町虎杖浜
- 源泉名:アヨロ温泉
- 入浴 :２０２１年８月
- 泉質 :ナトリウム-塩化物温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)
- 泉温 :源泉48.2度
- ＰＨ :８．３
- 電気伝導率:0.22 S/m
- 密度 :0.9995
- 蒸発残留物:1.367g/kg
- 形態 :日帰り温泉施設 男女別
- 効能 :きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 地元度:☆☆☆☆
- 穴場度:☆☆
- 素朴度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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