北海道
あさひゆ
アサヒ湯
ツルツルスベスベ、感触が良すぎてたまらない
北海道の帯広は、近くに十勝川温泉という有名な温泉地があるためか、観光客目線での「温泉地」としての認識は低いですが、実はいたるところに個性的な温泉が存在する温泉天国です。特に帯広駅周辺なんかもローカルな温泉がいくつもあります。今回は帯広駅から東に700メートルほどのところにある「アサヒ湯」にお邪魔しました。ここは住宅街の中にある、まさに素朴な銭湯です。でも、温泉好きにも評判のいい温泉銭湯なのです。さっそく訪れてみると、なるほどとても地味で、いかにもローカルな銭湯という感じです。とてもレトロな外観ですが、よくよくみるとレトロだけと新しいというか、妙にモダンです。レトロ風の建物ってことですね。玄関を入るとすぐに下足箱があり、正面には番台があります。脇にある自動券売機で入浴券を購入するシステムです。右側が女湯で左側に男湯がありました。脱衣所は小ぢんまりとはしているものの、わりと余裕のあるスペースで、棚にカゴ、そして一部に簡易的なロッカーもありました。ガラス戸を開けると浴室で、思っていたよりもさらに小ぢんまりとした浴室でした。洗い場は外壁側に6カ所ほどあり、内側に湯舟があります。洗い場にはボディソープなどの石鹸類はなく、持参する銭湯スタイルです。湯水のカランとシャワーがあります。湯舟は大小2つ並んでいましたが、小さい方は水風呂で、大きい方が主浴槽です。主浴槽はその3分の1ほどが浅くなっていて、全体的に大人が3人でちょうどいいサイズです。床が赤茶色で、湯舟の中も赤茶色なのが気になります。床はもともとの色のようですが、湯舟の湯も同じぐらい赤茶色の湯なのでした。かなり濃厚な色をした湯なので、わくわくしながらさっそく体を流します。するとどうでしょう、シャワーの湯ですがツルツルととても滑らかな感触のある湯です。またフワッと硫化水素のような匂いもありました。あれ?温泉分析表には「ほとんど無臭」と書かれていたのになと不思議に思いながらもさっさと体を洗い流します。今回は土曜日の昼過ぎ、午後2時くらいに訪れたのですが、先客が2名いました。ところが、すぐに後から後から続々と客が訪れました。常連さんも驚いていたので、たまたまお客さんが重なってしまったようです。数名増えただけでも浴場は混雑状態です。体を流してさっそく湯舟に浸かると、何とも軽やかなホワッとした香りが包み込み、さらにツルツルというか、ヌルっとするぐらいの舐め〜らかな湯の感触。さらに細かな気泡が体全体を覆いつくします。思わず「何なんだ?」と驚いてしまうほどの湯です。実際、後から来た客の一人が「なんだ?すごい泡か?」と独り言をぶつぶつ言って驚いていました。しばらく浸かっているとすごく汗が出るほど温まりますが、とにかく感触が良すぎて出るのが惜しくなります。隣には水風呂もあるので、水風呂で体を冷やしながらまた気持ちよく温泉を楽しみます。ちなみに浴室の奥には小さなサウナもあります。サウナもまたちょうど気持ちいいぐらいの高温サウナで、サウナと温泉と水風呂を行き来していると、あっという間に時間が過ぎていきます。そうこうしているうちに先客も後から来た客も帰って行きましたが、先客のひとりはずっとサウナと温泉と水風呂のローテーションを続けていました。いや、その気持ちは非常によくわかります。こんな狭い銭湯なのに、出たくなくなるくらい気持ちのいいローテーションです。私は90分くらい入っていたので、その方は少なくともそれ以上、あの狭い浴場にいるのですね。ちょっと客が多いと混雑してしまいますが、普段はそんなに混雑することもないようで、とても落ち着いた、そしてローカルな雰囲気の素晴らしい温泉銭湯でした。
掲載: 2022/05/20
Data
- 所在地:北海道帯広市東三条南
- 源泉名:ピリカイコロユ アサヒ湯
- 入浴 :2021年11月
- 泉質 :アルカリ性単純温泉(アルカリ性低張性高温泉)
- 泉温 :源泉42.3度
- PH :8.9
- 電気伝導率:0.05 S/m
- 密度 :0.9986(20度/4度)
- 蒸発残留物:0.294g/kg
- 形態 :温泉銭湯 男女別
- 効能 :筋肉・関節の慢性的な痛み又はこわばり、冷え性、疲労回復など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 地元度:☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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