長野県
わかつきおんせん
若槻温泉
心も体もポカポカとよく温まるアットホームな秘湯
長野県長野市にある若槻温泉を訪れてきました。年末の小雪がパラつく寒い日でしたが、路面には雪がなかったので、滞りなく向かうことができました。小ぢんまりとした温泉施設という情報しかなかったのですが、ナビに従って進んでいくと、住宅街の細い路地へと案内されます。だんだんと近づいていくのですが、やはり住宅街の中です。やがて住宅街を抜けた山の中へと入っていく細い道までやってきました。「えっ、こんなところに?」と半信半疑になりましたが、道路脇には「若槻温泉」の看板があります。そのまま坂を登っていくとその温泉施設がありました。本当に地味で人知れずってイメージのところですが、駐車場には何台ものクルマが停まっています。それなりに人気のある施設のようです。館内に入るとそこで履物を脱いであがります。正面には入浴券の自動券売機があり、その脇に受付がありました。受付では半券が戻され、「10枚で無料になりますよ」と声をかけてくれました。すごくアットホームな雰囲気を感じます。すぐ先には休憩間があり、浴後の入浴客がくつろいでいます。浴室は廊下を抜けた奥のようです。廊下の途中には水槽がいくつかあり、そのひとつには「ふぐ」が入っていました。若槻温泉を利用して飼われているそうです。その小さなみどりふぐは「ふくちゃん」と名づけられていました。とてもかわいいです。脱衣場は簡易的な鍵付きのロッカーが並びます。やはりこちらも小ぢんまりとしています。混雑していなければ窮屈に感じることはないでしょう。そして浴場は壁側に洗い場、そして窓側に湯舟がひとつあります。とてもシンプルな浴場です。洗い場にはボディソープやリンスインシャンプーも用意されていて、とても良心的です。桶や椅子が置かれている一角には、何やら水槽のようなものがあります。覗き込むと魚がいました。かなり濁っていてよく見えませんが、金魚のような魚がいるようです。浴室にも水槽があるなんて、面白いですが、肝心の魚の姿がよく見えないのが残念です。さて、体を流したところでさっそく湯舟に浸かります。湯舟の湯は赤茶色に薄く濁っています。透明度は60センチくらいでしょうか、底が見えないぐらいの濃度です。そして土臭いというか、かび臭いというか、独特の匂いがあります。浴室も蒸していたのですが、浴室の匂いというよりは温泉の匂いでしょうか? 湯は脇のパイプからチョロチョロと注がれていますが、こちらは無色透明です。けっこう熱く50度くらいはあるでしょうか。ちょっと味見をしてみると、薄く塩味を感じました。なんとも不思議な湯です。湯舟に浸かると、スーッと肌に馴染んでいくような、そんな優しい印象の湯です。静かにじっくりと味わえます。外には露天風呂もあるようです。外に出てみると、手前側の角に小さな湯舟があります。大人が三人でいっぱいくらいの大きさです。正面には大きな湯舟らしきものがあるのですが、湯は入っていませんでした。冬季閉鎖なのでしょうか、それともずっと使われていないのかは不明です。露天は内湯よりも少しぬるめでした。外気に晒されているので、ぬるくなってしまっているのかもしれません。雪もチラチラと舞っているので、雪見風呂を愛でながら楽しみました。それにしても、本当に静かでのんびりとした雰囲気です。隠れ湯的な雰囲気もいいですし、とてもアットホームな雰囲気も良かったです。常連らしき老人たちと会話をしながら、とても楽しく過ごすことができました。
掲載: 2022/06/13
Data
- 所在地:長野県長野市若槻東条
- 入浴 :2021年12月
- 泉質 :ナトリウム-塩化物温泉(低張性中性温泉)
- 泉温 :源泉37.6度
- 湧出量:毎分70リットル
- PH :7.3
- 密度 :1.0031(20度において)
- 蒸発残留物:4.570g/kg
- 形態 :温泉入浴施設 男女別
- 効能 :きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 地元度:☆☆☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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