鳥取県
とっとりおんせん・たからおんせん
鳥取温泉・宝温泉
昔ながらの銭湯のスタイルが懐かしい
鳥取県鳥取市は県庁所在地という行政の中心地にいくつもの温泉地が広がる、全国的にも珍しい温泉天国です。鳥取観光している中でも、あまり鳥取市内が温泉地とは気づきにくいのですが、それは温泉街というよりも街としての機能の方が目立ってしまっていて、それでいて温泉が日常にとけこんでしまっているので、部外者からすると温泉が見えづらいのかもしれません。鳥取市内の温泉は、ホテルなどにもありますが、温泉銭湯として地域の方の生活の中に存在しています。今回はその温泉銭湯のひとつ、宝温泉に行ってきました。ここは市内の銭湯の中でも老舗の部類に入るそうで、けっこう年季の入った佇まいです。とにかく素朴な雰囲気の銭湯ということで、楽しみに訪れました。場所は街のど真ん中、鳥取駅からでも徒歩で10分ほどのところです。建物の前に数台の駐車スペースがあるぐらいの、本当に素朴で目立たない存在の銭湯です。さっそく扉を開けると、まずは土間というか小さなスペースがあり、その先に男女別の扉があります。その中に入ると脱衣場があり、そして番台があります。まさに昔ながらの銭湯というスタイルです。脱衣場は簡易的な鍵付きの木造ロッカーです。スペース的には十分な広さがあります。ガラス戸の奥が浴室です。浴室は中央に四角い湯舟があり、奥と外壁側に洗い場が並んでいます。洗い場はシャワーはなく、湯と水のカランのみです。ボディソープなどの石鹸類も用意されていません。タイル張りのシンプルで質素な浴室で、飾らないところがノスタルジックに感じます。中央の湯舟はけっこう深さのある湯舟です。無色透明の綺麗な湯で、クリアでとっても透き通った湯です。湯舟そのものはそんなに大きくはないのですが、深さがあるので狭くは感じません。それでも大人が4人も入れば、いっぱいかなという感じです。お湯は沸かしていることもあってか、そんなに熱くなくなかなかの適温です。けっこう昔ながらの銭湯って、やたらと熱い湯だったりするものですが、ここはそんなことはなくとても入りやすい温泉です。すごくあっさりとした湯で、刺激も少なく、見た目のインパクトもないので、ここが天然温泉だと気づかないような人もいてもおかしくないでしょう。ただ、入口にはしっかりと天然温泉を沸かしていると書かれているし、脱衣場には温泉分析表も掲げられているので、天然温泉であることには間違いなさそうです。浴室はシンプルなので、しばらく浸かっていると飽きてしまいそうなものですが、不思議とこの湯は飽きの来ない、とても心地いい湯です。のんびりと湯に浸かり、のぼせたら洗い場で体を流して、また湯舟に浸かる。そんな繰り返しであっという間に時間が過ぎていく、そんな温泉銭湯でした。
掲載: 2022/06/29
Data
- 所在地:鳥取県鳥取市吉方温泉
- 入浴 :２０２１年１２月
- 泉質 :ナトリウム・塩化物・硫酸塩泉
- 泉温 :源泉29.3度
- 湧出量:毎分85リットル
- ＰＨ :７．３
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆
- 地元度:☆☆☆☆☆
- 鄙び度:☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- レトロ度:☆☆☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆
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