熊本県
きくちおんせん・しろのいおんせん
菊池温泉・城乃井温泉
格安なのに豪快に掛け流されている贅沢な大衆浴場
菊池温泉街の奥、城山公園や菊池神社の手前にある城乃井温泉を訪れました。7月上旬ですが、すでに梅雨が明け猛暑の中の訪問です。土曜日の真昼間に訪れたのですが、駐車場には数台のクルマが停まっているだけで、客は少なそうです。ここは旅館がメインのようですが、大浴場は大衆浴場としても利用されているということで、近隣の方や常連さんが多いようです。さっそく駐車場から温泉の建物に向かいます。最初はどこが温泉施設なのかわからなかったのですが、入口にはネオンの看板が出迎えてくれていました。施設の入口には薬師様が祀られていて、すごく霊験あらたかな雰囲気が漂っていました。そのまま建物に入ると自動券売機と番台があり、番台の正面に下足箱と浴場入口がありました。入浴料は非常に安くて、銭湯よりも安い料金というのは驚きました。逆にこうも安いとすごく期待しちゃいます。脱衣所はコインロッカーが並びます。わりとシンプルで銭湯と旅館の浴場の中間のような印象です。古さは感じるものの清潔感があり、とても素朴ながらも好印象です。さっそく浴場に入ると、こちらは石タイル張りの内湯なのですが、シンプルながらもなかなかゆったりと広くて開放的です。右手側と手前と正面に洗い場があり、左手側に湯舟がありました。湯舟は3つに区切られていて、中央の湯舟が大きく飛び出ていてメインの浴槽となっています。そして何よりも驚かされたのが、それらの湯舟から大量にあふれ出る湯です。とにかく惜しげもなくジャンジャンと湯があふれ出て、それが豪快に床に広がり流れています。完全なるかけ流しなのでしょう、この豪快な溢れ方は見ていて気持ちがいいです。無色透明の綺麗な湯で、もったいないくらいの豪快さです。それに対して浴室そのものは非常にシンプルで、洗い場にはボディソープなどの石鹸類はなく、湯水のカランとシャワーだけ。まさにローカルな銭湯のスタイルです。さっそく体を流して湯舟に浸かりますが、お湯は最初少し熱いかなと思うぐらいで、そんなに刺激的な熱さはありません。馴染んでくると気持ちのいい温度です。湯舟は縁の部分が黒い御影石になっていて、なかなか高級感があります。壁にはタイルのモザイク画が描かれていますが、噴煙を出す山と湖らしきものが描かれていました。阿蘇山を意識しているのでしょうか?こちらもいいインパクトになっていて、とにかく雰囲気はとてもいいです。両脇の小さい方の湯舟は、片側はバブルバスになっていて、もう片方は丸い玉の置かれた台から大量の湯が注がれていました。微妙にツルツルと滑らかな湯で、湯の注ぎ口の近くの方がなんとなくツルツル感が強い気がしました。ちなみに、湯に浸かっていると時折、何か変な匂いがします。温泉の匂いなのかと嗅いでみてもあまり実感しません。でもたまに何かが腐ったような、例にあげるとクサヤの干物のような匂いがするのです。窓が大きく開いていたため、たまたま外から入ってきたのかもしれませんが、とても気になりました。ちなみにシンプルな浴室であるため、湯舟に長く浸かっているとのぼせてきてしまいます。水風呂などが欲しくなりますね。浴後は、肌のツルツル感がいつまでも続いていて、本当に気持ちがいいです。薬師様にしっかりと挨拶をしてきたので、そのご利益かもしれませんね。普段使いしたいとてもいい浴場でした。
掲載: 2022/11/21
Data
- 所在地:熊本県菊池市隈府
- 源泉名:菊池温泉(城乃井旅館)
- 入浴 :2022年7月
- 泉質 :アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉)
- 泉温 :源泉50.3度
- 湧出量:毎分155リットル
- PH :9.5
- ラドン含有量:1.20×10-10Ci/kg
- 形態 :公衆浴場・旅館 男女別
- 効能 :筋肉・関節の慢性的な痛み又はこわばり、冷え性、疲労回復など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆☆
- 地元度:☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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