愛知県
いらこおんせん・みんしゅくいそじ
伊良湖温泉・民宿磯路
素朴で小さな民宿の小さな温泉
三重県の鳥羽市から伊良湖行きのフェリーに乗ってみました。三重県と愛知県は隣同士なのですが、伊勢湾を挟んでいるので、伊勢や鳥羽から豊橋方面に向かうには、ぐるっと名古屋を経由するよりも、目の前の渥美半島に渡ってしまった方が楽なんですよね。フェリーに乗って非日常感も味わってみたいという思いもあって、このルートを選択してみました。それでせっかく渥美半島にやってきたのだから、伊良湖周辺に拠点を置いてみようかと宿を探して見つけたのが、「民宿磯路」という小さな民宿です。伊良湖のフェリーターミナルから車で10分ほど進むと、太平洋側の国道42号線沿いにポツンと建っていました。伊良湖といったら渥美半島の先っぽ。まさに先端付近です。すっかり田舎の何もない長閑な景色の中にありました。予想外に小さく、そして地味でさりげない宿でした。The昭和って感じのする、昔ながらの地方の民宿って感じが、また懐かしさもあり安堵感もあります。館内はけっこう雑多というか、古風な感じなのですが、とても愛想のいい女将さんが印象的でした。こういう素朴な民宿というのは食事に期待ができ、しかもクチコミでも食事については評価が高かったというもあり、設備などは鼻から期待していなかったので問題ありません。さて、さっそく宿についたところで、夕飯の前に入浴をどうぞと勧められたので、風呂に入ることにしました。どうせ井戸水か水道水なのだろうと期待していなかったのですが、なんと伊良湖温泉という幟やポスターがあります。えっ、まさかの天然温泉です。調べていなかったので、これは予想外でした。2022年から伊良湖温泉を利用し始めたとのことで、まだ利用しはじめたばかりのようで、クチコミでも触れられていなかったようです。浴室は部屋ごとに貸し切って利用するシステムで、利用する際には扉の脇にぶら下がっている札をひっくり返して、入浴中であることを示すことになっていました。さっそく脱衣場に入ると、けっこう狭い感じです。部屋ごとに利用するといっても、2〜3名でいっぱいという浴室のようです。浴室内はまさに昭和感あふれるタイル張りでかわいらしい雰囲気がありました。小さな洗い場と湯舟だけの、まさに民家の浴室って印象がありますが、タイルの模様がとてもきれいで、とても雰囲気がよかったです。湯はほぼ無色透明の湯です。壁から湯舟に延びたパイプがあり、蛇口の他に湯の投入口が見当たらないようなので、このパイプを通して加熱循環しているようです。さっそく浸かってみますが、あまり目立った浴感はありません。微妙にしっとりとした感じはあるものの、かなりあっさりとした感じです。蛇口を捻ってみましたが、こちらも普通の水のような感じでした。ホームページの説明によると、「ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉」ということで、湯冷めしにくい湯とのことでした。確かに何となくあたたまりのいいような気がしましたが、塩分はそんなに多くはないように感じました。温泉分析表が見当たらなかったので、成分の内容はよくわかりませんでした。ただ、とてもやさしい湯ということだけは確かなようで、浸かっていてもすごく肌に馴染むような印象がありました。浴後は楽しみの夕飯です。予想通り、素朴な家庭料理だけどボリュームも満点、刺身が煮魚も美味しく、とても満足できました。
掲載: 2023/06/10
Data
- 所在地:愛知県田原市和地町
- 入浴 :2023年3月
- 泉質 :ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉(低張性・弱アルカリ性・低温泉)
- 形態 :民宿 男女別
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆
- 穴場度:☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆
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