茨城県
おおすげおんせん・もとゆりょかん
大菅温泉・元湯旅館
田んぼの先にある素朴で和やかな温泉宿
茨城県の常陸太田市にある大菅温泉を訪れました。とても柔らかい湯が評判ということで、楽しみにやってきました。ナビに従ってクルマを走らせると、だいぶ近づいてきたところで国道を離れます。その温泉地は国道349号線から里川を挟んだ対岸にあるようです。ところが、これがまたけっこう狭い道を行きます。そして田んぼのあぜ道に入るように案内されました。マジか?!田んぼの先に温泉旅館らしきものが見えるので、道は間違っていないようです。ここには二軒の温泉宿が並んでいて、それなりに歴史のある温泉地のようです。旅館の前には案内板があり、1846年(弘化3年)より以前から鉱泉として知られていたと書かれています。そこで今回は元湯旅館に立ち寄りで入浴することにしました。ところが、宿の前には駐車スペースがほとんどありません。里川沿いの田んぼ脇にいくつか駐車できるスペースがあったので、そこに停めて向かいます。すごく小ぢんまりとした質素な宿を想像していましたが、小ぢんまりとはしているものの意外とモダンな感じの宿でした。角にある浴室からジャブジャブとお湯を使う音が聞こえたので、どうやら先客がいるようです。玄関に入って声をかけると、奥から女将さんが出てきました。入浴の旨を告げると、とても愛想よく対応してくれました。ところが、浴室があると思われていた場所とは反対側に案内されました。どうやらこの宿には右奥と左奥とに浴室があり、どうやら先客が利用していない方の浴室を案内されたようです。貸切で利用できるなんて、とても光栄です。さっそく脱衣場に入ると、やはりちょっと狭いです。なるほど、これなら先客がいたら入れないですね。そして浴室に入ると、こちらもとても小ぢんまりとした内湯です。壁側にシャワー付きの洗い場が一か所、そして大きめの湯舟がひとつだけです。非常にシンプルな浴室ですね。さっそく体を流そうとシャワーを使いますが、チョロチョロと湯量が少ないです。とりあえず湯舟の湯も使いながら体を流して、さっそくお湯に浸かります。湯はほとんど無色透明で、見た目のインパクトは無いのですが、浸かった瞬間にツルツルっとした滑らかな浴感がありました。なるほど、これはいい湯ですね。すごくあっさりというかサラサラとした湯なのに、肌がツルツルと非常に滑らかに感じるのです。湯舟はいわゆるバスタブなのですが、ちょっと年季が入っているのでしょうか、塗装が剥げかかっていますが、素朴感が増していい味が出ています。湯舟の中では加熱循環されているのでしょう、熱めの湯が湯舟の中の穴から噴き出していました。湯舟の脇には蛇口が二つ並んでいて、ひとつは「温泉」、ひとつは「鉱泉」と書かれています。つまり温かいか冷たいかということでしょう。鉱泉の冷たい方を捻ると、けっこう冷たい水が出てきます。手ですくうとツルツルとした感触があるので、源泉なのでしょう。味見をしてみると、けっこうミネラルを感じるというか、湧水のような爽やかな感じがあり、とても美味しく感じます。お湯は少し熱めだったこともあり、浸かっているとめちゃくちゃ汗が出てきます。非常に温まりもいい湯のようで、冬場とかは最高でしょうね。それにして気持ちよくて、浸かったり、体を冷ましたりを繰り返しながらじっくりと温泉を堪能してきました。ちなみに、この宿はそばも自慢のようです。事前に予約の必要があるようなので、食することはできませんでしたが、是非とも食べてみたいものです。宿泊料金もとても安くて気軽に利用できそうなので、じっくりと味わいたいなら宿泊してみるのもいいかもしれません。のんびりと喧騒を忘れた時間を過ごせそうです。
掲載: 2023/06/27
Data
- 所在地:茨城県常陸太田市大菅町
- 入浴 :2023年4月
- 泉質 :温泉法第二条の規定により適合する温泉(フッ化物イオン、総硫黄、メタケイ酸)
- 泉温 :源泉16.4度
- 湧出量:毎分1.9リットル
- PH :10.2
- ラドン含有量:9.43マッヘ
- 電気伝導率:35.0mS/m
- 密度 :0.9985g
- 蒸発残留物:0.218g/kg
- 形態 :鉱泉旅館 男女別
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆
- 地元度:☆☆☆
- 穴場度:☆☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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