富山県
かわいだおんせん
川合田温泉
江戸時代から続く、山あいの静かな温泉宿
富山県南砺市にある川合田温泉にやってきました。JR城端線の福光駅から国道304号線をまっすぐ進んでクルマで7〜8分ほどのところにある温泉宿です。ちょっと山道に入るので、周囲は緑豊かな自然に囲まれた静かなところにポツンとある感じです。すごく地味で目立たない存在ですが、山菜や川魚料理に定評のある宿のようです。今回は宿泊ではなく立ち寄りでの入浴です。国道から脇の坂道を下るとすぐに建物が見えてきました。すごく小ぢんまりとした素朴な宿を想像していたのですが、確かにひっそりとはしているものの、しっかりとした中規模程度の建物で、ちょっとレトロ感のある佇まいが情緒を醸し出していました。この温泉の歴史は古く、弘化4年(1847)の開湯というから江戸時代の後期から続いているようです。館内に入るとフロントがあり、浴場は正面に向かったところにありました。一段下がったところに食事処があり、すごく雰囲気の良さそうなところです。脱衣所に入ると、小ぢんまりとした雰囲気の中に変わった棚がありました。脱衣棚が金属や木製ではなく、ネットになっているのです。これまた珍しいタイプですね。そして浴場はこちらも小ぢんまりとした内湯のみです。すごく素朴ながらも雰囲気が良く感じるのは何なのでしょうね。床は凝灰岩かな?薄い青緑色をしたサラサラとした石で、湯舟は赤い花崗岩です。曇りガラスから射し込む柔らかな山の光が優しくて、全体的にいい雰囲気に仕上げているのでしょう。浴室はかなり蒸していて、やたらと蒸し暑いです。湯舟にバブルバスがついていて、ボコボコと攪拌されているので、その熱気が充満しているのでしょう。真冬だったら濃霧状態ではないでしょうか。洗い場は壁側にあり、湯舟はひとつだけというとてもシンプルなものです。洗い場で体を流してさっそく湯舟に浸かります。湯舟は無色透明の湯が注がれています。手前側は少し浅くなっていて、半身浴にも良さそうです。湯舟の中は小さなタイル張りになっていて、このレトロ感もなかなかのものです。湯はそんなに熱くはないのですが、浸かっているとズッシリと熱さが伝わってきます。これは塩分を多く含んでいるのかな? 湯の注ぎ口は角にありますが、こちらは循環ろ過されているので飲泉はできません。脇には源泉と書かれチョロチョロと水が滴っていました。この滴った水を飲んでみると、マイルドな塩味があり、そしてしっかりとした金属的なミネラル味があります。このミネラル味は舌をざらつかせるほどのインパクトがありますが、塩分がそれをマイルドに仕上げていて、わりと飲みやすいです。無色透明のシンプルな湯ながらも、けっこう個性的な湯でしたね。さらに湯に浸かっていると、ツルッとした滑らかな浴感もあり、非常に気持ちのいい湯でした。ただ、浴室内が蒸していることと、他に水風呂などの逃げ場がないので、しばらくするとのぼせてきます。シャワーで少し体を流してから、また湯舟で湯を楽しみました。とにかく静かに過ごせそうな宿なので、宿泊でのんびりと、美味しい料理を楽しみに過ごすのもありかと思いました。
掲載: 2023/08/03
Data
- 所在地:富山県南砺市法林寺
- 源泉名:川合田温泉
- 入浴 :2023年5月
- 泉質 :ナトリウム・塩化物冷鉱泉(低張性弱アルカリ性冷鉱泉)
- 泉温 :源泉16.0度
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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