長野県
はくばしおのみちおんせん・くらしたのゆ
白馬塩の道温泉・倉下の湯
北アルプスを眺めながら入る開放感抜群の露天風呂
冬になるとウインタースポーツが盛んになる白馬村は、冬だけでなく夏は登山、秋は紅葉と、四季を通じて楽しめる人気の行楽地です。また、いくつかの温泉地が周辺にあるなど、温泉好きな方にも知られている行楽地です。そこに平成5年(1993)に誕生した新しい温泉が白馬塩の道温泉です。その中でも「倉下の湯」は人気の高い入浴施設です。前々からずっと気になってはいたものの、いつも混雑している人気のスポットなので、二の足を踏んでいました。今回はゴールデンウイーク明けの平日、人の少ない時期を狙ってやってきました。いくら人が少ないとはいえ、それなりに入浴客はいるだろうと思ってやってきたところ、何と、先客は誰もいません。これは非常にラッキーでした。この温泉施設は木造二階建ての素朴で小さな温泉施設です。山小屋風の落ち着いた雰囲気がとてもいいです。館内に入ると入浴券の自動券売機があり、その先に受付があります。受付の正面はロビーになっていて、右奥が女湯、左奥が男湯となっていました。脱衣場は棚にカゴ、手前にコインロッカーもあります。わりとゆったりとした脱衣場で、多少混雑していても問題なさそうです。そして浴室に入ると、両脇に洗い場が並び、そして中央に細長い木製の枡があります。でもこれは浴槽ではなく、上がり湯とのこと。確かに上にも板があって、とても人間が入れる大きさではありません。しかしながら、閑散期だからなのか、湯は入っておらず水になっていました。とりあえずシャワーで体を流してから外にある露天風呂へと出てみます。こちらは長方形の大きな湯舟になっていて、手前側は大きな屋根付き、そして奥は開放された空間となっています。そしてその見事な光景に思わず息をのみます。というのも、湯舟の湯は鮮やかな赤茶色をしていて、そしてその先には白馬の山々が広がっていて、ものすごい開放感なのです。春先ということもあり、白馬の山々は残雪でコントラストが見事です。先ほどまで雨が降っていたにも関わらず、急に青空が広がり、とにかく明るく開放感に満ちています。残念ながら山々は所々雲がかかっていて、名物の「白馬」が見えません。でも、この開放感は本当にたまりません。さて、お湯の方もまたすごくインパクトが大きいです。透明度は20センチほどでしょうか、とても鮮やかな色をしています。源泉は透明だそうですが、空気に触れて色づくのだそうです。源泉そのものではあるものの飲用には適さないようで飲めませんと書かれています。ちょっと味見をしてみると、マイルドな塩味と、不思議な甘味、そして微妙な苦味が少しだけあります。けっして美味しくはないですが、そんなに不味いわけでもない、不思議な味でした。湯舟の湯は少しぬるいくらいで、じっくりと湯を楽しむことができます。幸い、誰も利用者がいないのでのんびりと浸かることにします。湯舟の一番外側は少し浅くなった部分があり、そこで寝そべりながら空を眺めていると、本当に気持ちがいいです。たまに吹き抜ける爽やかな風がとても気持ちよく、ウトウトしながら長湯してしまいました。結局のところ、その後の誰も利用者はなく、最後まで独占状態で利用することができました。あまり混雑していると気を遣うかもしれませんが、入浴客が少し多いぐらいなら、この開放感は十分に味わえるのではないでしょうか。天気のいい明るい時間に訪れることをおススメします。
掲載: 2023/08/11
Data
- 所在地:長野県北安曇郡白馬村北城
- 源泉名:白馬塩の道源泉
- 入浴 :2023年5月
- 泉質 :含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(等張性中性温泉)
- 泉温 :源泉37.5度
- 湧出量:毎分400リットル
- PH :6.9
- 密度 :1.0052
- 蒸発残留物:7.368g/kg
- 形態 :温泉施設 男女別
- 効能 :きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆☆
- 野趣度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 人気度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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