熊本県
ゆのつるおんせん・ゆのつるおんせんほけんせんたー「ほたるのゆ」
湯の鶴温泉・湯の鶴温泉保健センター「ほたるの湯」
静かな山あいで、湯治場の雰囲気を楽しむ
水俣市の市街地からクルマで15分ほど、10kmほど山間部に向かうと「湯の鶴温泉」という老舗の渋い温泉地があります。この温泉地の歴史は古く、平家の落人が湯浴みをする鶴を見て発見したという伝説があるそうで、かなり長い歴史のある温泉地です。湯治場として栄えてきたこともあり、今でも静かで落ち着いた雰囲気の温泉地として人気があるようです。今回はその温泉街の奥の方にある「ほたるの湯」に入ってきました。ここは湯の鶴温泉保健センターという公共の温泉施設のようですが、観光客向けの要素もあり、とても人気がある施設とのことです。建物は古風なスタイルの和モダンな印象があり、そんなに大きな施設ではないので、小ぢんまりとした落ち着いた雰囲気がありました。玄関を入ると自動券売機、そして受付があります。受付の前には特産品などが並んだ販売コーナーもあり、その先には休憩間、そして手前奥には浴場の入口があります。脱衣場は棚にカゴ、そしてコイン返却式のロッカーがありました。小ぢんまりとはしているものの、とても清潔的で機能的な印象です。浴室に入ると、黒や赤茶色をした正方形の石タイルが市松模様のように敷かれていて、壁は石垣風の石タイル張り、そして湯舟は木製になっていて、奥は床から天井まで曇りガラス、明るくそしてシックな印象です。洗い場は右側に四つ、手前側に三つ並んでいて、合計で七つと少ないわりにゆったりと空間があって、けっして小ぢんまりとした印象は受けません。むしろ、奥行きを感じてとてもゆとりのある空間に感じました。今回は5月上旬の土曜日の夕方に訪れました。本降りの雨が続く悪天候だったこともあるのかもしれませんが、客が少なくとても静かな感じです。いつもこんなに空いているのであれば、かなり穴場的な場所のようです。浴場の規模も小さいことですし、そんなに混雑することもないのかもしれません。洗い場にはボディソープなどの石鹸類はなく、各自が持参する共同湯形式です。その分、とても料金も安いので、非常にありがたい存在です。さっそく体を流して湯舟に浸かりますが、無色透明の綺麗な湯をしています。全体が桧風呂なのかと思ったら、どうやら縁の部分だけが木材で、湯舟そのものは石造りとなっているようです。湯舟の底には小石が埋め込まれたコンクリート製です。足元がゴツゴツと心地よい感触となっていました。湯に浸かっていると感じるのが、その滑らかさです。ツルツルっとした浴感がとても心地よいのです。湯の鶴だからツルツルなのかと思うくらい、ツルッとし浴感が特徴的です。それなのに意外とあっさりとしていて、しつこくない滑らかさ加減がちょうどいいです。常連客でしょうか、大きなペットボトルを持参して来ていて、湯口から湯を汲んで持ち帰っていました。飲泉とかできるのでしょうか?さっそく味見をしてみると、ほとんど味覚はありませんが、塩素臭が少しあります。ここはかけ流しになっていて循環ではないのですが、塩素消毒は行われているようです。そんなわけでこれを持ち帰っているということは、自宅のお風呂とかで利用するのでしょうかね。それにしても雰囲気がとてもいいです。先客があがってしまうと、しばらく貸切状態となってしまいました。のんびりじっくりと湯に浸かっていると、スッと体の疲れが抜けていくような感覚があり、非常に気持ちのいい湯でした。雰囲気がとてもいいので、静かに温泉に浸かりたいと思ったら、こういうところで温泉を楽しむのもいいでしょう。
掲載: 2023/08/23
Data
- 所在地:熊本県水俣市湯出
- 入浴 :2023年5月
- 泉質 :アルカリ性単純温泉(低張性・アルカリ性・高温泉)
- 泉温 :源泉45.4度
- PH :8.6
- ラドン含有量:0.04×10-10Ci/kg未満
- 形態 :温泉保健センター 男女別
- 効能 :自律神経不安定症、不眠症、うつ状態など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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