大阪府
おくみずまおんせん
奥水間温泉
泉州の奥座敷で四季折々の景色を楽しむ
大阪府貝塚市、和歌山県との県境に近い山の中にある「奥水間温泉」という旅館にやってきました。地図を見ると本当に静かな場所にある宿なので、素朴で小さな宿を想像していたのですが、辿り着いてみると、とても品格のある和風旅館でした。とても静かな場所にはありますが、そこそこの規模のある施設のようです。今回は宿泊ではなく立ち寄りでの入浴で訪れました。土曜日の昼間に訪れたのですが、立ち寄りでの入浴客はあまりいないようです。館内に入るとすぐにフロントがあり、とても丁寧に対応をしてくれました。フロントの前にはロビーがあり、とても優雅な雰囲気があって好印象です。浴場は廊下の突き当りを左に少し進んだところにありました。何かの会合でしょうか、ランチを楽しんでいる方々がいるようで、少し賑やかな雰囲気がありましたが、浴場には入浴客はいないようで、貸切状態のようです。脱衣場は棚にカゴ、そしてロッカーがあります。わりと小ぢんまりとした感じですが、とても小ぎれいな印象です。浴室に入ると内壁側に洗い場、そして窓側に湯舟があります。浴室もやや小ぶりですが、他に利用客がいないのでゆったりと感じます。さっそく体を流して湯舟に浸かりますが、湯舟が何やら個性的な印象です。逆L字型をした湯舟で、男女を隔てる壁は石垣風になっています。そして外側は大きなガラス窓になっていて、天井部分が半透明になっているので、とても採光豊かで明るい印象です。窓からは森の木々の緑が見えます。そして湯舟の湯は無色透明の湯なのですが、湯舟の縁の部分の石タイルが赤茶色に色付いているようです。湯舟の中も底や側面が同じように赤茶色に染まっていて、お湯が赤茶色なのかと錯覚するほど、一面真っ茶色なのです。温泉の成分が濃厚なのかもしれません。角には湯のチョロチョロと流れる注ぎ口、そして壁の中ほどには「飲用水」と書かれた小さな口がありました。覗いてみると、ほんの少しずつチョロチョロと湯が流れていて、中には竹のコップがありました。さっそく飲んでみると、冷たくはない水になっていて、とてもはっきりとミネラル味があります。といってもえぐ味があるとかではないので、少し硬めのミネラルウォーター程度です。そしてその滴る水は湯舟へと注がれているのですが、赤茶色に染まったところと苔のようなものが生えている部分とあり、古代遺跡の泉のような印象があり神々しく感じました。さて、湯は意外とあっさりとしていますが、微妙にツルッとした滑らかさも感じます。そんなに熱くもなくぬるくもない適度な温度でした。すぐ外側には露天風呂もありました。こちらは出てみると岩風呂なのですが、やはり内湯と同じように赤茶色に染まった湯舟です。内湯よりも若干ぬるめのような気がします。そして山の爽やかな空気が流れていて、非常に気持ちがいいです。露天のすぐ外側には小さな渓流が流れていて、正面は森になっています。川はとても浅いのですが、小魚がたくさん泳いでいたりカニが歩いていたりと、ボーッと眺めていられる自然美がありました。それにしても雰囲気がとてもいいです。渓流の流れるせせらぎと、森の木々の音だけで、まったりとした時間が流れています。お湯もとても個性的で環境がとてもいいので、すっかり魅了されてしまいました。宿泊客や食事の利用などのニーズはとてもあるようで、なるほどこの環境ならゆっくりと寛ぐことができそうです。泉州の奥座敷と言われる所以がよくわかりました。
掲載: 2023/10/04
Data
- 所在地:大阪府貝塚市木積
- 入浴 :2023年6月
- 泉質 :ナトリウム-炭酸水素塩泉(低張性・中性・冷鉱泉)
- 泉温 :源泉19.0度
- 湧出量:毎分6リットル
- PH :7.1
- 電気伝導率:169mS/m
- 密度 :1.000
- 蒸発残留物:1.093g/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、耐糖能異常(糖尿病)など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 野趣度:☆☆
- 秘湯度:☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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