秋田県

うっとうおんせん・またぎのゆ

打当温泉・マタギの湯

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秋田県の中ほど、大館能代空港からクルマで１時間ほどの山の中にある、打当温泉マタギの湯に行ってきました。ここは宿泊施設ですが、日帰り入浴も可能ということで訪れてみることにしました。大館能代空港方面から向かったのですが、谷間を縫うようにして国道105号線を延々と進んでいき、途中から県道に入っていきます。角館方面からでも１時間以上かかるような静かな場所にその宿はありました。特に県道に入ってからは谷間の田んぼと、たまに集落があるくらいで、すごく辺鄙な雰囲気の場所です。とはいえ、脇には秋田内陸縦貫鉄道が走っていて、辺鄙ではあるもののそんなにはアクセスが悪い場所ではないようです。緑いっぱいの景色を眺めながら宿に近づいていくと、突如として大きく立派な宿が見えてきました。こんな静かな場所には不釣り合いに感じるほど、とても立派な建物です。今回は週末だったこともあり、それなりに宿泊客はいるようでした。夕方に立ち寄ったのですが、日帰り入浴客は少なく、ほぼ貸切状態のようです。さっそく館内に入りフロントで受付をして、右奥にある浴場に向かいます。脱衣所はわりと小ぢんまりとしているようですが、狭い感じはなくむしろゆったりとしています。そして浴室に入ると、こちらはけっこうゆったりと広くて大きなものでした。内壁側に洗い場が並んでいて、外壁側に湯舟があります。奥行きのある浴室で、外側が大きなガラス窓になっているので、とても明るい印象がありました。内湯には小さなサウナと水風呂もあり、奥には露天風呂もあるようです。さっそく体を流して湯舟に浸かりにいきますが、けっこう熱めの湯です。湯舟は左右２つに区切られているのですが、どうやら奥側の湯舟の方が熱くて、手前側は少し温度が低めになっているようでした。熱いといっても浸かれないほど熱いのではなく、長く浸かっているとのぼせて来るぐらいの熱さです。７月上旬の暑い日に訪れたこともあって、余計に熱く感じたのかもしれません。お湯はほとんど透明ですが、軽く濁りがあるような無いような微妙な気配です。また、湯舟の周辺の岩やタイルの間などがやたらと赤く見えます。温泉の成分による着色でしょうかね。注がれているお湯を舐めてみると、マイルドだけどしっかりとしたしょっぱさと、エグい苦味がありました。なるほど、それなりに成分は濃いような感じです。湯舟に浸かっていると、熱さ以外にもズシッと来るような重みを感じるので、湯あたりしないように気を付けた方がいいでしょう。続いて露天風呂へと出てみます。こちらは岩風呂になっていて、天井はあるのの、外側が開けていてとても開放的です。岩風呂の湯口はマタギの宿らしく熊の頭をあしらっているところが、とてもユニークです。周囲の景色はどうかというと、脇にはすぐに小さな川が流れていて、正面は田んぼです。長閑な田舎らしい景色が広がっています。ちなみに内湯からも田んぼの景色が広がって見えますが、ガラス窓の下側に目隠しのフィルムが貼られているので、湯舟から立ち上がらないと田んぼの景色は見えません。実に長閑で落ち着いた風景です。それにしても湯が濃厚なこともあって、すぐにのぼせてきます。内湯の水風呂を浴びようとすると、これがまたとても冷たくて気持ちがいいです。わざわざ冷やした水を入れているのかと思ったぐらいですが、カランの水も温度を下げるとものすごく冷たいので、ここに引かれている水が冷たいのでしょう。すごくシャキッとする水で、体を冷ましてからまた温泉に浸かってじっくりと汗が噴き出すぐらいに温まって、それを繰り返していると、あっという間に時間が過ぎていきます。それだけ気持ちのいい湯です。上がると、宿では夕食の準備にとりかかっている様子で、料理のいい匂いが漂ってきます。この宿では、熊鍋などのジビエ料理から秋田の郷土料理など、ここならではの味を楽しめるとのことです。雰囲気もとてもいい宿だったので、宿泊してのんびりと過ごすのがいいのかなと感じました。

掲載: 2023/11/05

Data

1. 所在地:秋田県北秋田市阿仁打当
2. 源泉名:打当温泉
3. 入浴　:２０２３年７月
4. 泉質 :塩化物泉(ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉)
5. 泉温　:源泉54.9度
6. ＰＨ　:７．０
7. 密度　:1.001
8. 成分総計:4.064g/kg
9. 形態　:温泉旅館　男女別
10. 効能　:きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症など
11. 露天風呂:あり
12. 開放度:☆☆☆
13. 清潔度:☆☆☆☆☆
14. 気軽度:☆☆
15. 秘湯度:☆☆☆
16. 景色　:☆☆☆☆
17. 総合評価:☆☆☆☆