宮城県
わたりおんせん・とりのうみ
わたり温泉・鳥の海
鳥の海や巨大堤防も一望できる眺望に恵まれた優雅なホテル
宮城県の南部、亘理町には海岸脇に「鳥の海」と呼ばれる汽水湖があります。もともと河口だったところが、自然にせき止められた潟湖とのことです。その名のとおり、野鳥の宝庫として知られ、バードウォッチングの名所になっているなど、自然保護地として整備されているようです。そんな鳥の海のすぐ傍らに、とても近代的で大きなホテルが建っています。これが「わたり温泉 鳥の海」です。この一帯は東日本大震災で被災し、一帯が丸ごと再開発されたところです。このホテルも新しく、そしてポツンと建っているのでとても目だっていました。そしてこのホテルは日帰り入浴も積極的に受け付けてくれているということで、さっそくお邪魔しました。まずはホテルに入りますが、フロントではなく5階にある浴場に直接向かいます。エレベータで5階まであがると、すぐに温泉施設となっていました。脇にシューズロッカーがあり、そして入浴券の自動券売機があります。入浴券は一般と亘理町の方とでわかれていて、地域の方は安く利用できるようです。入浴券を購入するとQRコードの書かれた券が出てきました。浴場入口にゲートがあり、そのゲートの読み取り機にQRコードをかざすと、ゲートが開くシステムとなっていました。けっこう近代的な取り組みですね。脱衣所に入ると、こちらはけっこうシンプルな感じです。平日の午前中に訪れましたが、やはり地域の方々が多いような雰囲気です。というか、ほぼ地域住民でしょう。浴室はさすがに5階にあるだけあって、窓から光が射し込み、とても明るい雰囲気です。内側に洗い場があり、そして窓側に湯舟があります。ホテルの浴場らしく、とても綺麗で清潔感にも溢れている感じです。湯舟は手前と奥とで2つに区切られています。手前側は桧風呂になっていて、ちょっと熱めの43度。奥はすこしぬるめの41.5度となっていました。湯舟の湯は少し黄色というか、ほとんど透明なのですが、かすかに色がついていました。湯舟に浸かるとツルツルとした滑らかな浴感がけっこう強く、とてもインパクトのある湯です。これはいいですね。ツルツルといっても、そんなに刺激的な感じではなく、かなりマイルドな感じで控えめな印象です。出しゃばってはいけないなと自覚しているような、そんな健気なタイプの温泉です。でも、十分に目立つ特徴ですけどね。そして気になるのはその窓からの眺望です。さすがに5階にあるので、窓からは鳥の海が一望できます。そして、巨大な堤防と海も眺められます。震災以降、堤防が大きくなってしまったので、地上からは海を眺めることはできません。これだけの高さだとしっかりと海や風景も楽しめて、とても優雅です。そしてここには露天風呂もありました。露天は岩風呂になっていて、天井も屋根もなく、すごく開放的でワイルドです。目隠しというか、半透明のガラス窓がありますが、立ち上がれば海も空も陸も優雅に眺めることができます。今回は晴れていてめちゃくちゃ陽射しが強い日でしたが、風もとても強くて、爽やかを通り越して、巨大な送風機を浴びているような気分で、とても楽しく入浴することができました。さすがにこれだけの眺望だと、昼間だけでなく、夕暮れの景色も優雅だろうし、夜景も楽しむこともできそうです。そうなるとやはり宿泊してじっくりと過ごすのがいいかもしれません。とても優雅な雰囲気のホテルなので、リゾート気分で滞在するのも楽しいことでしょう。そんな、贅沢を垣間見てみたくなるホテルでした。
掲載: 2023/11/27
Data
- 所在地:宮城県亘理郡亘理町荒浜
- 源泉名:鳥の海温泉
- 入浴 :2023年8月
- 泉質 :ナトリウム-塩化物泉(低張性弱アルカリ性温泉)
- 泉温 :源泉39.2度
- PH :7.8
- 電気伝導率:181mS/m
- 蒸発残留物:937.3mg/kg
- 形態 :観光シティホテル 男女別
- 効能 :きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
温泉レポートを検索