長野県
ひろはらおんせん・はっぽうえんしかのゆ
広原温泉・八峯苑鹿の湯
源泉投入でお湯の色が変化する効能豊かな温泉
長野県の中西部にある富士見町は、山梨県に隣接する自然豊かな山々に囲まれた静かなところです。高原リゾートとしても知られていて、夏は避暑地として、秋は紅葉、冬はウインタースポーツ、春は新緑のハイキングと、四季を通して楽しめるレジャーエリアになっています。今回は富士見高原スキー場のすぐ近くにある、「ホテル八峯苑鹿の湯」に立ち寄りで訪れました。真夏の暑い日中、やはりこのエリアも暑いですが、街の暑さとはまったく別物で、すごくカラッとしていて過ごしやすいです。日曜日の昼間に訪れたのですが、入浴は午後3時までの受付とありました。通常は夜間まで入浴受付をしているようですが、繁忙期は夕方以降は宿泊者のみの利用となるようです。というか、こんなにも積極的に日帰り入浴を受け付けているものとは知らず、やたらと混雑した駐車場だなぁと思ったのでした。ちょうど昼過ぎぐらいだったのですが、エントランス近くの駐車場はほぼ満車状態でした。さっそく近づくと、ホテルのエントランスとは別に右側に日帰り入浴専用の出入口が設けられていました。入浴の受付をして館内を奥へと進むと、大浴場となります。けっこう混雑しているのかと思ったら、レストランなどの利用が多かったのかもしれません。浴場はむしろ空いていて、ガランとした感じです。脱衣場はとても広く、奥に簡易的な鍵の架かる木造ロッカーも用意されています。また、脱衣所の奥の壁には巨大なパネルがあり、この温泉についての説明が細かい文字でびっしりと書かれていました。フォッサマグナ大地裂帯の温泉で、効能が豊かであるとの説明がありました。浴室に入ると正面には洗い場、右側にはサウナと水風呂、露天風呂への出入口、左側には広い内湯が広がっていました。ますば体を流して湯舟に浸かります。内湯は大小2つに区切られていて、手前側の大きい方は黒い湯、奥が透明の湯に見えます。が、手前の湯舟の湯も無色透明の湯で、黒く見えたのは湯舟の中のタイルが真っ黒だからです。これはもともとタイルが黒かったのではなく、温泉の成分の沈着によって黒みを帯びているようです。見た目には大人しい印象の透明な湯ですが、床もクリーム色っぽく堆積が見られたので、かなり成分の濃い温泉なのでしょう。湯に浸かるととてもしっとりとした柔らかさを感じます。微妙にスルスルとした滑らかな浴感もありました。ほぼ無味無臭の温泉ですが、浸かっているとじんわりと浸み込んでくるような、そんな包容力の感じる湯です。奥にある湯舟は水道水を利用しているそうですか、バブルバスとジェットバスがついていました。ただ、単なる水道水ではなくマグネシウムを含んだ湯というようなことが壁に書かれています。まぁ、特に気になる浴感はありませんが、やはりしっとりとした優しい感触の湯です。外には露天風呂があります。露天はちょっと小ぢんまりとはしていますが、巨石に囲まれた岩風呂に、ちょっとした屋根がついていて、とてもワイルドな演出を感じつつも、とても落ち着く雰囲気です。こちらも内湯と同じように湯舟の中の岩は真っ黒に変色しています。そして水面より上の岩は乳白色に着色されています。乳白色の部分はカルシウム分などが温泉成分と結合して付着したものでしょう。ちなみに、1日に数回、源泉を大量に投入する時間帯があるそうで、源泉で湯舟が満たされると翡翠のような色になるそうです。1時間もすると変化してしまうそうですが、今回は時間帯が合わずにその現象を見ることはできませんでした。非常に落ち着いた雰囲気の浴場で、リゾートとしてもしっかりとした設備で運営されていて、とてもいいムードがある施設でした。こういうリゾート地はできれば宿泊してじっくり、まったりと過ごしたいところですね。
掲載: 2024/02/02
Data
- 所在地:長野県諏訪郡富士見町境
- 源泉名:広原温泉
- 入浴 :2023年8月
- 泉質 :ナトリウム−硫酸塩・塩化物温泉(低張性中性温泉)
- 泉温 :源泉39.6度
- 湧出量:毎分35.5リットル
- PH :7.1
- 密度 :1.0054
- 蒸発残留物:5979mg/kg
- 形態 :高原リゾートホテル 男女別
- 効能 :きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 優雅度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
温泉レポートを検索