大分県
ほうせんじおんせん・いしびつのゆ
宝泉寺温泉・石櫃の湯
かつての共同露天風呂がリニューアル。河畔の足湯
宝泉寺温泉は大分県玖珠郡九重町の国道387号線沿いにある素朴な温泉地です。開湯伝承によると空也上人が突き刺した杖が杉の大木となり、天禄三年(972)の大地震で大杉の根本から温泉が湧きだしたのが始まりとのことです。九重町から小国町に向かう街道沿いにある温泉地なので、たまに通りかかることはありますが、訪れるのはとても久しぶりです。今回は宿泊で宝泉寺温泉を楽しみにやってきました。宿に着いたところでさっそく周囲を散策します。近くに足湯もあるようなので、そちらに向かってみました。足湯の前まで辿り着くと、どうにも見覚えのある風景です。そうです、以前にも来たことがあるのです。でも、そのときは足湯ではありませんでした。共同湯という、普通に入浴する温泉施設でした。確か、男女別に脱衣所はあるものの、湯舟はひとつなので混浴の共同露天風呂となっていました。ところが、時代の変化とともにここも変わってしまったのでしょう、いつの間にやら足湯施設になっていました。ではどのように変わってしまったのか、入ってみることにしました。ここは小さな川を渡る橋があり、橋の対岸に足湯施設があります。足湯の利用料は無料となっていますが、橋の手前には料金箱が設置してあり、お気持ちで利用することができます。橋を渡ると正面に石櫃があり、その横に大きな湯舟があります。なんと、この風景は昔とほとんど変わっていませんでした。ただ、以前は石櫃には熱湯が注がれていましたが、なんと冷たい水が注がれていました。では湯舟の方はどうかというと、こちらはしっかりとお湯となっていました。昔、脱衣所があった場所は、小さな小屋があります。休憩用でしょうか、それとも管理用でしょうか。さっそく湯舟に入ると、けっこうぬる目です。そしてとても浅いです。以前は全身浴だったので、もうちょっと深かった気がしますが、足湯にした際に浅くしたのでしょうか?湯舟の中には落ち葉が沢山漂っています。秋の始まりのシーズンだったので、これは仕方がないでしょう。あまり管理されていないのかと最初は思いましたが、しっかりと足ふき用のタオルが大量に用意されていたり、電飾もあって綺麗だったりと、それなりに管理されている様子です。あと、湯舟の中にはコンクリート製のU形側溝が逆さまに沈められています。ちょうどベンチになるような形で配置されていました。足湯なので、座れるように工夫したのでしょう。ちょっと強引さも感じる、素朴なスタイルです。それにしても、雰囲気はとてもいいです。元々浴場だったこともあり、足湯なのにあまりオープンすぎず、落ち着いているし、石櫃がとても神々しかったりと、不思議な雰囲気が漂っていました。全身浴として入れなくなってしまったのは非常に残念ですが、足湯としてそのままの形で残ってくれていたので、非常に懐かしい気持ちになりました。
掲載: 2024/02/22
Data
- 所在地:大分県玖珠郡九重町町田
- 入浴 :2023年10月
- 形態 :足湯 男女混浴
- 効能 :疲労回復、神経痛、リウマチ、虚弱児童、慢性婦人病、消化器病など
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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