和歌山県
なんきゆかわおんせん・ゆりのやまおんせん
南紀湯川温泉・ゆりの山温泉
ジャンジャンかけ流しのぬるめの湯に浸かる
那智勝浦温泉のすぐ南にある湯川温泉は、地味で目立たない温泉地でありながらも、実は1500年の歴史があると云い伝えられている実力派の名湯です。湯川温泉は「ゆかし潟」という汽水湖の周辺に点在していて、その中のひとつ「ゆりのやま温泉」に向かいました。こちらは国道からはゆかし潟の対岸にあたる場所にあります。とても狭い路地を入って行くので、あまり観光客向けではありませんが、実に魅力的な温泉です。さっそく辿り着くと、本当に静かでひっそりとした雰囲気の湖畔にありました。それなりに駐車場は広めなので、ニーズは高いのかもしれません。また、温泉水のコイン販売所も併設していたので、温泉水を持ち帰ることもできるようです。受付をしてさっそく脱衣所に入りますが、浴室からボコボコと湯の音が聞こえます。誰か先客でもいるのかなぁと浴室に入ってみても、誰もいません。そしてカランからは湯がジャージャーと流れっぱなしになっています。これはけっしてホラーでも何でもなく、ボコボコと音がするのは湯の注ぎ口からのようで、カランからは常時流しっぱなしになっているようです。浴場はかなり小ぢんまりとした感じで、洗い場は5か所ぐらい、大きめの湯舟がひとつだけです。ガラス窓が大きいので、外光が射し込んで明るいイメージがありました。窓は曇りガラスになっているので、外の景色は見えませんが、窓際に観葉植物が並んでいて、緑を眺めることができるように工夫されていました。さっそく洗い場で体を流そうとしますが、湯の注ぎ口からは最初は冷たい水が出ていました。でもすぐに温かくなりますが、そんなに熱くはありません。かなりぬるめです。仕方がないので湯舟から直接、湯を汲んで浴びようとしますが、何と湯舟の湯もぬるいです。とりあえず体を流して湯舟に浸かります。湯は無色透明の透き通った綺麗な湯で、温度は体感で39〜40度ってところでしょうか。年末の大晦日の午前中、比較的暖かい日だったとはいえ、この温度はぬるいかなって感じでした。しかしながら、湯舟に浸かってしばらくすると体がポカポカとしてきます。何だろうこの感覚は?肌の表面に微かな刺激があります。例えるならばスーッとしないメンソール、いや、スーッとする代わりに温かみを感じるってところでしょうか。ちょっと表現が難しいです。なので、ぬるいのに非常によく温まる湯なのです。しばらく浸かっていると汗だくになるほどでした。そしてジャンジャンと豪快に掛け流されている温泉ですが、飲泉もできるようです。さっそく口に含んでみると、フワフワッと玉子臭のような香りがあります。硫黄泉にあるような硫化水素の香りが微かにするのです。なるほど、先ほどの刺激はこういうことだったのかもしれませんね。そんなわけで、じっくりとあたたまり、そしてまったりと長湯して過ごしてきました。ちなみに、最初は誰もいませんでしたが、後から続々と利用者がやってきて、けっこう人気のある温泉施設なんだなと感じました。ここは雰囲気もよくお湯の感触もとてもいいので、那智観光のついで立ち寄ってはいかがでしょう。
掲載: 2024/04/12
Data
- 所在地:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町橋ノ川
- 源泉名:ゆりの山1号
- 入浴 :2023年12月
- 泉質 :アルカリ性単純硫黄温泉(硫化水素型)
- 泉温 :源泉37.9度
- 湧出量:毎分120リットル
- PH :9.7
- 密度 :0.9985
- 蒸発残留物:0.149g/kg
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :リウマチ、皮膚病、眼病等
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 地元度:☆☆☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 湯治度:☆☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆☆
温泉レポートを検索