北海道

ふくしのさとおんせん

福祉の里温泉

優雅にのんびり、情緒も感じる福祉の温泉
更別村の市街地にある「福祉の里温泉」を訪れたのは5月半ばの週末です。昼過ぎの春らしいポカポカ陽気の中、温泉目的で行ってきました。「福祉の里」というネーミングからしてもわかるとおり、福祉施設の中にある温泉です。ナビに従いやってきましたが、帯広広尾自動車道の更別インターからすぐのアクセスの便利な場所に案内されました。そこには広い駐車場の奥に診療所や調剤薬局があります。いや、この建物ではなさそうだな、と、隣の建物に向かうと、デイサービスと書かれています。あれ? 一般の方は利用できなくなったのかと一瞬焦りましたが、デイサービスと書かれたところに「福祉の里温泉」と書かれています。恐る恐る館内に入ってみると、高齢者ではない一般客のような方もいて、自動券売機と受付がありました。事情を知らなければ躊躇してしまいそうな雰囲気です。さっそく受付をして浴場に向かいます。浴場は廊下の中ほどにありました。脱衣所は棚に大きなカゴ、そして奥にはスチールロッカーもあります。シンプルで小ぢんまりとはしつつも、機能的な印象です。浴場に入ると、こちらもデイサービスの浴場というよりは、一般の日帰り温泉施設といった感じのゆったりとした浴室です。さらに湯舟もいくつもあり、洗い場もしっかりとしていて充実感がありました。また、けっこう若い人も利用していて、一般的な温泉施設のように感じました。洗い場にはボディソープとリンスインシャンプーも用意されていて、料金が非常に安いのに、さすが公共の温泉施設という感じです。浴室にはサウナ、水風呂、バイブラバス、主浴槽と並び、隅には寝湯もありました。高齢者福祉施設だと、けっこうキツイ消毒臭がつきものですが、ここの温泉施設はそんなことはなく、むしろ温泉の軽やかな香りが浴場内に漂っていました。お湯は黄色というか黄緑色に近いような黄色です。色付いてはいますが、わりとクリアな感じで湯舟の底まで見えます。浴室の壁や床が黒を基調としたシックな雰囲気なので、この黄色い湯がとても明るく軽やかに見え、浴場内を彩っていました。なかなか悪くない雰囲気です。湯は浸かると軽くツルリと滑らかな感触のある湯です。泉質はナトリウム塩化物泉だそうで、塩分が含まれた湯のようで、保温効果に優れているそうです。確かに浸かっていると、すぐに体が熱くなり、そして火照るような感じになってきました。けっこう汗も出てきたので、外にある露天風呂に出てみます。露天風呂はちょっと小ぢんまりとした小規模のものですが、巨石に囲まれた、ややモダンな雰囲気のものです。そんなに大きな湯舟ではないので、大人が3人くらいでちょうどいい感じでしょうか。それにしても、福祉施設とは思えないくらい雰囲気がいいです。福祉施設の温泉って、泉質はどうであれ割とどこもシンプルで殺風景なところが多いですが、ここは旅館の温泉のように情緒があって居心地がいいです。それでいて温泉もあまり消毒臭も少なく、温泉もじっくりと楽しめる感じでした。さて、5月の北海道はまだまだ春先です。天気がよくて暖かい日でしたが、風はとても清涼で露天風呂が気持ちいいです。すっかり長湯してしまい、まったりと過ごしてきました。福祉の温泉だと敬遠しないで、ここの温泉は誰が行っても楽しめる、とても素晴らしい施設でした。
掲載: 2024/06/22
Data
  1. 所在地:北海道河西郡更別村更別
  2. 源泉名:福祉の里温泉
  3. 入浴 :2024年5月
  4. 泉質 :ナトリウム−塩化物冷鉱泉(低張性弱アルカリ性冷鉱泉)
  5. 泉温 :源泉17.9度
  6. PH :7.9
  7. 電気伝導率:1.00S/m
  8. 密度 :1.0029
  9. 蒸発残留物:5.772g/kg
  10. 形態 :福祉施設内の温泉施設 男女別
  11. 効能 :きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症など
  12. 露天風呂:あり
  13. 開放度:☆☆☆
  14. 清潔度:☆☆☆☆
  15. 気軽度:☆☆☆☆
  16. 地元度:☆☆☆☆☆
  17. 素朴度:☆☆☆
  18. 景色 :☆☆☆
  19. 総合評価:☆☆☆