大分県

しのはらおんせん

篠原温泉

ツルツルとした浴感とホワッと漂う温泉の香り
大分県由布市、国道210号線を大分川沿いに進み、JR久大本線の鬼瀬駅付近にある篠原橋を渡るとあるのが、篠原温泉です。素朴な感じの温泉施設で、長閑な気分が味わえるということで、訪れてみました。橋を渡るとすぐ右側にあるのですが、あまりにもさりげなくあるので、ん?どこだ?と見落としかねない感じです。素朴な鉄筋の建物を通り抜けると、奥に駐車場があります。駐車場はけっこう広めなので、それなりのニーズがあるのですかね。今回は土曜日の午後3時過ぎぐらいに訪れましたが、クルマは他に3台ほど停まっているだけでした。さっそく浴場に向かいますが、浴場の扉の中はすぐに脱衣所になっていました。料金はどこで払うのだろうと見渡すと、手前側の扉の奥にご主人らしき方がいたので、「こんちには」と声を掛けると、「そこに置いて」とぶっきらぼうな感じで対応してくれました。見ると、目の前の台の上に既に先客の入浴料が置かれています。これに倣って料金を置いてきました。ぶっきらぼうな感じてはありましたが、けっして機嫌が悪いとかいうのではなく、田舎によくいそうなシャイなタイプの方のようでした。ではさっそく浴場へ向かいますが、その扉はとてもわかりづらいです。扉にはトイレにありがちな男女のサインがあるので、トイレと間違えそうですが、そうではなく、それが男湯・女湯の区分けのようです。中はすぐに脱衣所となり、正面には木製の棚と黒いプラスチック製のカゴがありました。わりと最近にリニューアルしたのか、とても綺麗な感じがありました。浴室や建物そのものはかなり古びた感じです。浴室は内壁側に湯舟がひとつ、そして外壁側に水道があります。浴室の壁は上が白壁、下が紺色のタイル張りとなっていて、床はオレンジ色っぽいようなタイル、湯舟はコンクリートで底がタイル張りという、それなりに凝ってはいるけど、けっこうシンプルなスタイルでした。専用の洗い場があるわけでもなく、シャワーもなく、簡素な湯舟だけの施設です。さっそく湯舟から湯を汲みながら体を流します。湯はほんの少し山吹色っぽく色付いてはいるものの、ほぼ透明のクリアな湯です。そんなに熱くもなく、ちょうどいい温度でした。また、湯をかけていると、肌がツルツルとした滑らかな感覚に包まれます。これは期待が持てそうです。湯舟に浸かってみると、そのツルツル感で全身が包まれて、なんとも気持ちがいいです。非常に軽いツルツル感なので、ライトな感覚がとても軽やかでいいです。また、モール泉のような軽く鼻先をくすぐるような温泉臭もあります。このほんわかと香る温泉臭は、個人的にとても好きです。このツルツルとした浴感と、軽やかな温泉臭で、もう気分は上々です。湯舟にじっくりと浸かっていると、たまに湯が揺れだします。他に入浴客はいないのになぁと思っていると、どうやら湯舟は男女でつながっているようです。女湯の方で湯舟に人が浸かると、その振動が男湯で感じるようでした。よくみると、男女を仕切る壁の浴槽の下の部分はぽっかりと開いているようでした。ちなみにこのときは5月下旬、もう夏なのかなというぐらい暑い日でした。気温は高めながらも湿度がないので、とても過ごしやすい季節です。そして道路側にある窓は大きく全開になっていました。まぁ、男湯なんで覗かれようが別にどうでもいいことですが、むしろ中から外の景色が見えるのがとても開放的で良かったです。周囲は田園風景と山々が広がる田舎景色です。そこから吹き抜ける風がとても心地よくて、また、のんびりとした景色を眺められて非常に気持ちよく利用することができました。この開放的で素朴な浴場が、こんなにもさりげなくある大分県は本当に素晴らしいなと感じました。
掲載: 2024/08/05
Data
  1. 所在地:大分県由布市挾間町篠原
  2. 源泉名:篠原温泉
  3. 入浴 :2024年5月
  4. 泉質 :ナトリウム-硫酸塩・塩化物・炭酸水素塩温泉
    (低張性アルカリ性高温泉)
  5. 泉温 :源泉43.6度
  6. 掘削深度:323メートル
  7. PH :8.5
  8. 電気伝導率:131mS/m
  9. 密度 :0.9991
  10. 蒸発残留物:0.863g/kg
  11. 形態 :公衆浴場 男女別
  12. 効能 :きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症など
  13. 露天風呂:なし
  14. 開放度:☆☆
  15. 清潔度:☆☆☆
  16. 気軽度:☆☆☆
  17. 地元度:☆☆☆☆☆
  18. 穴場度:☆☆☆
  19. 秘湯度:☆☆☆
  20. 素朴度:☆☆☆☆☆
  21. 景色 :☆☆☆
  22. 総合評価:☆☆☆