鹿児島県

こひらおんせん

小平温泉

鉄分豊富な赤茶色の濃厚な湯
大隅半島の南部、錦江町の山の中にポツンとある「小平の湯」に立ち寄ってきました。県道68号線、鹿屋吾平佐多線沿いにあるとのことですが、ホントにぽつーんと建つ地味な建物で、「小平の湯」と看板はあるものの、気づかずにに通り過ぎてしまう人もいるだろうなというくらい、とても地味でした。すぐ裏を「神ノ川」という川が流れていて、駐車場から覗き込むと、岩盤を長い年月で浸食していったであろう、不思議な模様の川床がとても特徴的で見ごたえがありました。さっそく温泉施設に入ります。入るとすぐに受付があり、奥には休憩のできる広間がありました。また受付のすぐ裏に浴場があるらしく男女別にカーテンがありましたが、受付の人のすぐ後ろを通るという感じで、いまいち動線がわかりづらい感じがありました。カーテンの奥に入るとちょっとしたスペースとカゴがありましたが、さらに奥に行くと浴場入口と狭い脱衣場がありました。脱衣場はかなり狭いので、先客がいる場合は手前のスペースで着替える感じですかね。「出入口」と書かれたガラス戸を開けて浴場に入りますが、この扉がけっこうガタついていて、開きづらかったです。浴室は正面左右に浴槽があり、手前右側に洗い場が3か所ありました。やはりとても小ぢんまりとした浴室です。そして浴槽はどちらもステンレス製の湯舟になっていますが、左側の大きなものは赤茶色の湯が溢れていて、右側は無色透明となっています。透明な方は蛇口からジャンジャンと水が注がれていて、水風呂になっているようでした。赤茶色の湯はけっこう濃厚な感じで、透明度は20センチくらいでしょうか、底はまったく見えないので段差を確認しながら浸かります。お湯はほんの少し熱めってところでしょうか、熱すぎない程度のあっさりとした熱さです。湯舟の脇には3つの蛇口が並び、真ん中の蛇口から長いホースが湯舟に突っ込まれています。その先からはかなり熱めの湯が注がれていました。左側の蛇口は捻ると水が出てきましたが、無色透明で無味です。こちらは水風呂と同様に水でしょうか。右側の蛇口も捻ると無色透明の水が出てきましたが、こちらは錆びた鉄釘を舐めているかのような、金気臭と鉄錆味の酸味がありました。また、微妙に炭酸を感じるような感じないような感じの水です。これが源泉でしょうかね。ちなみに常連さんたちは沸かした熱い湯のホースを湯舟から上げて、コップに注いで冷ましながら飲んでいました。真似して熱い湯を飲んでみましたが、源泉ほどのガツンとくる感じはなく、とてもマイルドな湯になっていました。湯舟にしばらく浸かっていると、少し熱めということもあり、けっこう火照ってきます。すると水風呂がやはり気持ちいいです。こちらの水風呂は冷たすぎることもなく、さっぱりとした清涼感があります。こちらで冷ましたところでまた湯舟に浸かる感じで、冷温浴を楽しめました。ちなみに、湯はけっこうしっとりというか、あっさりというか、こんなに濃厚な色の湯なのにわりと軽く感じます。そのわりにキメが細かいというか、肌にグイグイ浸み込んでいくような、そんな感覚がありました。こりゃ、浴後に肌がつっぱるタイプの湯か?と思いましたが、意外なことにそんなにつっぱる感じもなく不思議とサラサラ感が続いていた感じです。温泉分析表を確認したいところですが、どこにも表記はなく、昔からの冷鉱泉ということしかわかりませんでした。鉄分を多く含んでいることは確実なのですが、単なる鉄泉というよりはやわらかさを感じる湯だったので、とても気になりました。かなり素朴感が強く、マニア向けな部分はありますが、話のネタに立ち寄ってみるのも面白いでしょう。
掲載: 2024/09/02
Data
  1. 所在地:鹿児島県肝属郡錦江町城元
  2. 入浴 :2024年6月
  3. 形態 :鉱泉入浴施設 男女別
  4. 露天風呂:なし
  5. 開放度:☆☆
  6. 清潔度:☆☆
  7. 気軽度:☆☆
  8. 地元度:☆☆☆
  9. 鄙び度:☆☆☆
  10. 秘湯度:☆☆☆
  11. 素朴度:☆☆☆☆☆
  12. 異色度:☆☆☆☆
  13. 景色 :☆☆☆
  14. 総合評価:☆☆☆